熊本の山の中に八角形の奇妙なトンネルがあるという噂を聞いて
お盆休みに見に行って来ました。

今年は夏の大遠征にはいかなかったので
人吉花火大会を目的に
ちょっとぱかし南熊本エリアに1泊2日の小遠征。

その途中に立ち寄ってみました噂の「八角トンネル」。


八角トンネルまでの道のり〜熊延鉄道廃線跡を探して〜


熊本市の南東の山間に位置する下益城(しもましき)郡美里町。
そこにある熊延鉄道の廃線跡にそのトンネルは存在します。

このあたりは、個人的にいままであまり縁のないエリアでした。
今回、初めて美里町を訪ねます。


八角トンネル (16)
「道の駅 美里」に立ち寄り。
ここに車を停めて「八角トンネル」を探します。

八角トンネル (17)
美里っていうと個人的には
「渡辺美里(歌手)」か
「みつみ美里(イラストレーター)」w

どちらも好きかなw

八角トンネル (18)
道の駅の直ぐ側を流れる緑川水系津留川。

地図を見ると、道の駅から少し下流に行ったところに、
熊延鉄道の架橋の遺構があるようでした。

ここを降りて歩いていったら見れるかな?と思ったけど
残念ながら途中までしか行けず。見れませんでした。


先日の豪雨で津留川の水がかなり濁っています。
このときは増水した影響で
水も濁ってるし流木とかも多いんだ程度に思ってました。

8月10日からの豪雨で熊本に被害が出たことは聞いてましたが、
豪雨て大変な被害が出たエリアがここだったことを後から知りました…。

どおりで川の水も濁ってるし、道路が泥だらけなはずです。
国道も工事してる場所がたくさんありました。
ちょっと悪いタイミングで行ったのかも知れません。


IMG_6906
道の駅から国道に出て、川沿いに歩いて行きます。

八角トンネル (1)
竹林の隙間から見えました、熊延鉄道の鉄道遺構「第一津留川橋梁」の橋脚遺構。
もっといい条件で見れないかとあたりを探索します。

八角トンネル (19)
川底に降りていけそうな道を見つけたので降りてみます。
「正一位中岳稲荷大明神」とあります。
中岳は阿蘇の中岳のことでしょうか?

朽ち果てかけた稲荷神社の鳥居がちょっと不気味…。
だけど、勇気を振り絞って下っていきます。

八角トンネル (20)
道はここで絶たれました。
かつては橋がかかっていたのかな?
どちらにしても向こう岸には渡れそうにありません。

鳥居があったのにもかかわらず、稲荷神社の祠も見当たらず…。
廃神社だったのでしょうか?
それとも増水で流されたとか…。

八角トンネル (21)
この川が湾曲してる先に橋脚があるんだけど、ここからは見えませんね。
増水してるので川沿いに歩いて行くこともできませんし、
諦めて引き返します。


二俣橋


橋脚の見えた場所からちょっと歩くと対岸に渡れそうな橋が見えてきました。


IMG_6920
歩行者専用橋と車道橋と2本の橋がかかっていて、
写真奥の石橋は「二俣橋」という観光名所みたいでした。

この橋は津留川と釈迦院川(しゃかいんがわ)の合流地点に
それぞれの川にかかる2つの眼鏡橋。
江戸時代、文政12年(1829年)に架けられた古い橋で
美里町の重要文化財。

橋の袂には観光案内所の建物もありました。

八角トンネル (46)
「二俣福良渡」と書いてあります。
これは津留川にかかってるほうの名前らしです。
もう一つの橋(釈迦院川に架かってる橋)は「二俣渡」

八角トンネル (2)
この写真には5つの橋が写っています。

写真左に見切れてる橋は車道の橋。中央が「二俣福良渡」
写真右下の橋が「二俣渡」。
その上が国道218号線の新年祢橋。
さらにその奥が(旧)年祢橋(美里町指定文化財)。

八角トンネル (23)
…っていうか「二俣渡」のほうの橋は
先日の豪雨の影響でしょうか
崩壊しちゃってます…。
渡れません。

ああ、貴重な文化遺産が…。

IMG_7007
「フタマタ橋」ハート。
「二俣」という橋の名前的に恋愛に絡めると縁起でもねーぞ的な印象w

…なのですが、調べてみると
橋のアーチ部分が、秋から冬にかけてハートの形を川面に作るってことで有名らしい。
それでハートなのか。

八角トンネル (22)
そしてここに「八角トンネル」への行き方の看板がありました。
ちゃんと観光化されてるのね。

…ていうか入口にちゃんと駐車場あったのか。
今更車に戻っても遠いのでこのまま歩いて行きます。


廃線跡へ

地図に従い、二俣橋を渡って歩いていきます。

八角トンネル (24)
5分ほど歩くと、廃線跡っぽい石積が見えてきました。

八角トンネル (25)
途中ガードレールが落ちてました。
警戒しつつ進みます。
奥の方に先ほど渡った二俣橋が見えます。

八角トンネル (26)
八角トンネル入口。
ここまでは車で来られるようです。

八角トンネル (27)
「熊延鉄道遺構」と「八角トンネル」解説看板がありました。

八角トンネル (43)
熊延鉄道(ゆうえんてつどう)とは
かつて熊本県熊本市の南熊本駅から宮崎県延岡市までを結ぶことを計画された鉄道路線。

1915年(大正4年に)春竹駅(現在の南熊本駅)から鯰駅までが開業し、
のちに延伸し、下益城郡の旧砥用町(ともちまち)(現:美里町)の砥用駅まで開業してました。
1964年(昭和39年)に廃止。

運営会社の熊延鉄道は現在の熊本バス株式会社の前身であります。


お恥ずかしながら熊延鉄道の存在を今まで僕は知らなかったです。

熊本〜延岡の鉄道計画は
国鉄が宇土から延岡までを計画した「延宇線」
は知ってました。
この「熊延鉄道」はその一部なのかな?ってなんとなく思ってましたが
別物っぽい?

「延宇線」は現在の南阿蘇鉄道(旧高森線)から旧高千穂鉄道(旧高千穂線)
を経由して延岡に至る路線。

高森と高千穂区間の高森トンネルを掘削中、大量の地下水が出て計画は中止になりました。
その「高森トンネル」の跡を整備して作られたのが「高森湧水トンネル公園」です。

ちなみに、高千穂にある「トンネルの駅」の神楽酒造の焼酎貯蔵庫
高森〜高千穂区間にいくつも掘られて使われることのなかった
廃トンネルのひとつを再利用したものでした。

「熊延鉄道」はその「延宇線」とは別物なんですかね?
調べてみたけどはっきりした答えはわからなかったです。


八角トンネル (44)
周辺地図。
先程見た「第一津留川橋梁遺構」のほかにも「第二」「第三」の橋梁遺構が現存してるんですね。
あと「二俣橋」のような石橋も多くあるみたいです。

八角トンネル (45)
かつての第一津留川橋梁の写真。
現在は橋脚の部分しか残っていません。

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熊延鉄道を走る車両の写真。

ヂハ100形。
ヂハの「ヂ」はどういう意味だろうと思ったけど
ただ単に昔は「ディーゼル」のことを「ヂーゼル」と表記したこともあったので
実質「デハ」と同じ意味なんだね。

ちなみに「ハ」は普通車という意味。
グリーン車は「ロ」になります。

「いろはにほへと」の「いろは」の部分で
現在は等級がグリーン車と普通車の2段階しかないので
「ロ」と「ハ」しか使われていない感じですかね。

八角トンネル (29)
八角トンネルの看板。

この先200m。
そんなに距離はないですが、ここからはその姿を見ることはできません。
歩いて行きましょう。

八角トンネル (30)
ここから先は徒歩のみ通行可能。
車はもちろん、バイクや自転車も通行止めです。

八角トンネル (31)
熊延鉄道の線路跡。
かつてはここに線路が引かれ列車が走ってたと思うとちょっとわくわくしました。

八角トンネル (32)
途中、がけ崩れしてました。
気をつけながら進みます。


八角トンネル



八角トンネル (33)
少し歩くと見えて来ました!これが八角トンネル!!
みごとなオクタゴン!
(※六角形はヘキサゴンというのに対し八角形はオクタゴンと云う)


八角トンネル (3)
すごい存在感!

正確にはトンネルではなく、切通し部分を補強する構造物。
切通し両端の岩が崩れるのを防ぐためのものだそうです。

八角トンネル (4)
なぜ穴が八角形なのか?なぜトンネルじゃなく間が空いてるのか?
その理由は現在では解らないそうです。
ミステリー!

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不思議な構造物ですね。
なんていうか見てると妙な気分にさせられます。

八角トンネル (6)
廃墟感も相まってすこし不気味かも?

八角トンネル (7)
おそらく造られて百年くらい経つと思うのですが、ほぼほぼ原型をとどめています。

八角トンネル (8)
ここを列車が走っている様子を見たかったですね。
さすがに廃線当時、僕はまだ生まれてなかったですけどw


八角トンネル (37)
異世界に続くゲートのようw

八角トンネル (38)
八角トンネル (39)
なんかこう、美しさというのも感じます。

八角トンネル (41)
けっこう岩がごろごろ落ちてます。
先日の豪雨の影響かな?

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八角トンネルを抜けた先から見た風景。

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眼下には津留川が流れています。

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線路跡はまだまだ続くようです。
この先進んで橋脚跡見れるかな?

八角トンネル (34)
ちょっと先に案内看板が立ってました。
橋脚まで行けるようです。

八角トンネル (48)
あっ、祠を発見!

先程の赤い鳥居はここのものかー。
昔はあの鳥居からここまで歩いてこれたのかも?

中を覗いてみると、
廃神社とかではなく、
ちゃんと祀られてるようでした。


一津留川橋梁橋脚遺構

八角トンネル (9)
木々の間から見えてきました第一津留川橋梁橋脚跡!

近くで見ると大きい!!
下に降りていく階段があるので下ってみましょう。

八角トンネル (10)
煙突のようにそそり立つ巨大建造物。

縦長のコンクリートによって作られたこの模様、
なんだか長崎県にある「針尾送信所」の無線塔を思い出させますね。

【参考】針尾無線塔紹介記事


八角トンネル (11)
コンクリートの対応年数は40年〜60年程度と言われてますが
100年近く経つ今でも特に崩れることなく残ってるというのはすごいです。

当時の日本の建築技術の高さに驚きです。

八角トンネル (35)
奥の方にも橋脚が見えますね。
橋脚は見える範囲で4本ありました。

八角トンネル (13)
こんなに立派な橋脚が使われず朽ち果てていくのは
ちょっともったいないですね。

八角トンネル (14)
見上げればその大きさに圧倒されます。

八角トンネル (15)
高さ約20m。

ぜひ八角トンネルとセットで見てみてください。
僕は道の駅から歩いたのでかなりの距離がありましたが、
入口の駐車場からだと10分も歩かなかったと思います。


八角トンネル (42)
入口の駐車場に戻ってきました

線路はこの先道沿いに続いたのでしょうかね?
他の橋の橋脚見たいし、またそのうち廃線巡りとして歩いてみたいですね。

八角トンネル (47)
津留川の対岸から八角トンネル見えるかな?と思ったけど無理でした。
中央に見える道のようなものが熊延鉄道の廃線跡ですね。

以上です。

「八角トンネル」と「第一津留川橋梁橋脚」の遺構、
観光用に整備されてるので比較的簡単に見に行けると思います。

廃線跡と、なんとも不思議なトンネルと橋脚跡の巨大な柱、
廃線跡好き、遺構とか好きな方なら一見の価値はあると思います。


(おわり)

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