3月9日に行った呉、江田島遠征でございます。
江田島といえば、何があります?
そう!海上自衛隊第一術科学校、もしくは同敷地内にある海上自衛隊幹部候補生学校でございます。この前身は旧海軍兵学校であります。めんどくさいのでこの記事では第一術科学校という表記で書いていきます。
第一術科学校見学には2014年に2回、2017年、2018年に各1回行ってるので今回は5度目になります。今まで一度も記事にできてなかったという…orz
今回こそ頑張って記事にします。
江田島に行った目的は兵姫ストライクのポスターなのですが、せっかくなのでなにか見ていきたいなって思って、今回は第一術科学校見学にしました。
先に述べたように何度も見学は行ってるのですが、最近、ゾンビランドサガ関連で古い建物への関心が自分の中で高まってきてるので、今回は建物を中心に見ていこうかなって思っての選択でした。
また、ちょっと前に映画「あゝ江田島」を観たので改めて行ってみたいっていうのがありました。
第一術科学校の正門。
この横の方に兵学校時代の門があったらしいけどわかんなかったー。
こちらは第一術科学校の門標。ここまでの案内看板の表記は「第一術科学校」だけど、やはり「幹部候補生学校」の表記のほうが上なのね。
受付を済ませて敷地内に入ります。見学時間の30分前から受付できます。見学時間や見学の詳しい内容は公式サイトにてご確認ください。
ちなみに個人での見学に予約は必要ありません。(20名以上の団体は要予約)また身分証等も必要ありません。見学は団体行動になります。自衛官の方の案内で敷地内を歩いて見学していきます。所要時間は1時間半です。
なお、教育参考館以外は基本、写真撮影OKです。
構内案内図。
受付を済ませたら江田島クラブという建物の中で出発時間まで待機です。
江田島クラブの中には自衛隊グッズやお土産を売ってる売店や、史料展示室、食堂などがあり、見学開始の待ち時間や見学終了後に利用できます。
第一術科学校庁舎。でっかいサイレンのスピーカーですねえ。
江田島クラブの階段に「兵姫ストライク」ポスター発見です!
そして「ゲート」の自衛官募集ポスターも。
そういえば、最近、あっち系の人たちにアニメ系の自衛官募集ポスターがことごとく叩かれていて僕はとても哀しいです。
では見学開始まで2階にある「海上自衛隊歴史コーナー」を見ていきましょう。

エアクッション艇の大きな模型。以前、宮崎の日向市で「しもきた」搭載のエアクッション艇見たなー。
ゲートのサイン色紙です!
「ゲート」のポスター。
「兵姫ストライク」のグッズが展示してありました。持ってるのもあるけど、だいたい持ってない。以前は等身大パネルもあったんだけど、今回は見当たらなかったなー。
あさかぜの号鐘およびプレート。号鐘は最新警報装置を備えた現在の護衛官でも、電源途絶に備え法律で装備が義務付けられているそうです。
ミサイル艇1号型の模型。海上自衛隊で初めに配備されたミサイル艇ですね。はやぶさ型の前級です。
護衛艦「あやなみ」の模型。対潜護衛艦。
ヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」の模型。日向で見学したなー。
ミサイル護衛艦「あまつかぜ」模型。日本初のミサイル護衛艦ですよ。舞鶴基地に主錨が残ってますよね。
らっぱと六分儀。

時計。部屋のインテリアにひとつ欲しいw 赤と黒のエリアは何を表しているんでしょうか?
訓練支援艦「てんりゅう」や「くろべ」に搭載されている標的機。
この建物は大講堂。入校式、卒業式などの式典をおこなう場になっております。
ちなみにこちら側は貴族門。高貴な人しか入れません。
一般人は裏の平民門から入ります。
ガイドの方の「後期(高貴)高齢者」オチは何度も聞いたw
がんばろう江田島の看板が立てられてました。
こちら側が平民門。分厚く重そうな扉がついております。
大講堂は大正6年に建造された鉄筋煉瓦石造りの建物です。外壁には瀬戸内海産の花崗岩が使用されています。約2000人入れるそうです。歴史を感じさせる建物ですね。しかも大きい。
中も見学できます。厳かな雰囲気でありますよ。反響がよく音がよく響きますよ。ドラマ「坂の上の雲」のロケ地でもあります。
天井には舵輪型のシャンデリアが。
幹部候補生学校、通称”赤レンガ”。第一術科学校を代表する建物ですね。
この建物、映画やドラマはもちろん、「艦これ」「蒼き鋼のアルペジオ」「ハイスクール・フリート」など多くのアニメ作品に登場してます。
桜に錨、海上自衛隊のマーク。旧海軍時代はここには菊の御紋が入ってたそうです。
煉瓦と御影石を組み合わせの美しい外観。
一階の窓と、2階の窓の形が違うのもポイント。煉瓦はイギリスからひとつひとつ丁寧に梱包されて送られてきたものなんだそうです。(※一部国産も混じってるらしい)煉瓦1枚が当時の職人の給料一ヶ月分だったそうな。
幹部候補生学校前から大講堂方向。
陸奥の主砲(40センチ砲)です。戦艦陸奥の4番砲塔。主砲身のほうは大和ミュージアムや横須賀のヴェルニー公園にありますが、砲塔全体があるのは江田島だけかと。
これは沈没した船体から引き揚げられたものではなく、改装のとき換装のため取り外されたものを昭和10年に教材として江田島に設置したものです。
通常の見学コースでは近くに行って見ることはできません。写真は望遠レンズで撮ったもの。
ちなみに第2、第4火曜日の見学では間近で見れるそうです。土日祝休みの勤め人には厳しい…。
おそらく第2、第4火曜日は教育参考館がお休みのため代わりに見学できるって感じなのではないかと思われます。
陸奥の横にある小さな砲(右)は駆逐艦「梨」の12,7mm高角砲です。「梨」は後に海上自衛隊護衛艦「わかば」となった駆逐艦ですね。
左は安式四十口径六寸砲とのこと。この砲は教育参考館の屋外展示場で見ることができます。
この建物も古そうです。旧砲術講堂。今は使われてないようです。
表桟橋。実はこちらが表門。僕らが入ってきたのは実は裏門なのですよ。海上自衛隊(旧海軍)の建物は海側が正門になってますよね。呉の地方総監部(旧鎮守府)もそうでした。
ドラマ「坂の上の雲」をはじめ、数々の映画やアニメで登場した廊下です。見たことあるって人も多いのではないでしょうか、
なんと、初めて中に入ることができました。最近、新しく見学コースに加わったみたいですね。
ここの庭にあの”同期の桜”もあるんだそうですが、時期ではないのでどの木なのかは教えてくれませんでした。
インスタ蝿!インスタ蝿!うるさいよ?w
教育参考館。ギリシャの宮殿みたいな外観です。鉄筋コンクリート造、昭和11年建築。
この建物は館内を見学できます。
東郷平八郎の遺髪室があったり、特攻隊の遺書や名簿などの展示もあたり、ある意味”聖域”的な雰囲気があります。
館内は見学者であっても、脱帽、写真撮影禁止、携帯およびスマホの使用禁止。入館に服装規定もあるので注意してください。なお屋外の展示品は撮影可能です。
海軍創設から海上自衛隊に至るまでのたくさんの史料が展示されています。
大和ミュージアム等には展示されていない、ここでしか見れない貴重な史料も多数あります。
教科書に載るようなものを実際に見ることができるのはすごいです。
見学時間があるので見学の配分には注意しましょう。
特に陸奥や青葉の艦首の菊の御紋や雪風の舵輪、矢矧の高角双眼望遠鏡などは順路の最後のほうにあるので、もたもた見学していて見れなかったよーなんてことの無いようにw
あと屋外展示物見学の時間も考慮しておいたほうが良いかと思います。
特殊潜航艇「甲標的」。潜水艦版艦載機みたいな印象ですね。
たまにこれを「回天」って言ってる人がいますが、特攻兵器ではありません。あくまで母艦への帰還を前提に設計されました。ただその任務の性質上、生還率はかなり低かったのは確かではあります。
ちなみに「甲標的」というネーミングは、これが攻撃兵器であるということを隠すために「標的」と名付けられたそうです。
真珠湾攻撃に参加した9隻のうちの1隻です。昭和35年にアメリカ海軍が発見、引き揚げたものです。
こちらは特殊潜航艇「海龍」。開発当時は機密を図るため「SS金物」と呼ばれました。
本土決戦用に開発された特殊潜航艇。特徴は水中翼。運動性が向上し、水中を飛行機のように動けるようになりました。
戦況の悪化した終戦間際、「海龍」は途中から船首に爆薬を搭載した特攻兵器として建造されるようになりました。
ただ本土決戦が回避されたため、本格的な実戦投入はなかったようです。終戦時には大量に残ってました。
教育参考館野外に展示されてるこの「海龍」は試作3号艇で、潜水学校で搭乗員教育用に使われていたもの。外板が外れてるのはそのためです。
後期量産型の「海龍」は大和ミュージアムでも見ることができます。
93式魚雷。酸素による航跡が出ない魚雷として有名ですね。第二次世界大戦時には日本しか持ってませんでした。当時にしては射程も恐ろしく長く、破壊力も大きく敵海軍にとってはかなりの脅威だったみたいです。
安式四十口径六吋砲。搭載艦は不明。サイパン島で放置されていたものを引き揚げたものらしいです。
日露戦争に備えてアームストロング社から艦載砲として輸入したもので多くの艦に搭載されました。明治41年に国産化されました。太平洋戦争時には旧式化していたため、沿岸砲台として設置されました。
この後はふたたび江田島クラブに戻って解散となりました。解散後は売店でお土産や、自衛隊グッズを買ったり、食堂で海自カレーなどを食べたりできます。
僕は今回はホテルのチェックインの時間があったのですぐに出ましたけどね。
以上です。
調べながらだったので記事書くのにめっちゃ時間かかりました…。
ミリタリー好きや、歴史好きな人にとって、呉の見どころといえば「大和ミュージアム」や「てつのくじら」ですが、この江田島の「第一術科学校」も抑えておくべき大きなポイントだと思います。
呉からは車で行くとけっこう遠いですが、中央桟橋からフェリー(高速船)+路線バスで行くと意外と近いです。ターミナルには「この便に乗れば見学時間に間に合うよ」っていうのが時刻表に書いてあります。航路の途中で護衛艦とかも見れるのでお薦めです。
フェリーに車・バイクを載せてというのもありなのかもしれません。
あと今年は3月31日に構内一般開放が行われます。この日は学校内を自由に見学できますので、興味のある方はこの機会にぜひ!
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