ブレイブウィッチーズの第1話に佐世保が出てきます。佐世保に行った時にちょくちょく舞台探訪してるんですがそろそろまとめてみようと思います。

Blu-ray第1巻。検証のために購入しました。
現時点でそうではないかと思う場所は
では、ひとつひとつ見ていきます。
■展海峰展望台
まずはAパートの冒頭に出てくる佐世保の景色。ここは比較的わかりやすい、九十九島ですね。展海峰展望台からの景色です。


展望台からの景色そのままです。島の形、右手下に小さな漁港。ここはシンクロ率高いですね。間違いなくここだと思います。

展海峰パノラマ(クリックして拡大)。作中では左から右へ景色がパンしていきます。


先日、夕方に行った時に撮った写真。


展望台の下には菜の花畑がありました。

先日訪れた時は展望台そばの桜がちょうど満開でした。
■弓張岳
三航戦、考美お姉ちゃんのいる艦隊が佐世保に帰ってくるシーン。入港してくる艦隊をひかりちゃんが出迎えます。
ここも佐世保によく行く人なら見慣れた場所でしょう。佐世保港や市街を見下ろせる弓張岳展望台です。個人的には何度も登ってるのでこのシーンがでたとき「これ弓張やん!!」って思いましたw


時代が違うので建物は少なく描かれてるようですね。しかし立神岸壁をはじめとした港の形状はほぼ同じ。クレーン(SSKのハンマーヘッド型クレーン:1913年竣工)の姿も見えます。港部分の細かい部分の違いは佐世保海軍工廠時代の資料を参考にしてるのかもしれません。
左奥部分の半島に建物がなく、地形も違うのは、この部分は戦後埋め立てられて港湾地区になったからだと思います。緑がある部分が元の海岸線だったのではないかと。

弓張岳からは眼下には佐世保市街、佐世保港、佐世保湾、遠くは針尾送信所の無線塔まで見えます。第二展望台からは九十九島方面も展望できます。
真下にある港は米軍基地。海上自衛隊も桟橋を間借りしてるので護衛艦が停泊してることが多いです。左手が佐世保駅や市街地。その奥が海上自衛隊の倉島岸壁。この倉島岸壁はその名の通りかつては島で、埋め立てて基地にしています。庁舎がある部分が島でした。

弓張岳展望台は夜景も綺麗でございます。

弓張岳展望台パノラマ(クリックして拡大)。右手は九十九島です。
■佐世保湾口
欧州派遣選抜試験のシーン。佐世保湾の湾口です。
佐世保湾で水平線がみえるのはここだけです。軍港クルーズに参加するとこの湾口が見えるところまで案内してくれます。離島などへの船に乗っても見ることができると思います。


あまりはっきりとはわからないけど、半島と半島の間に地平線が見えてるので、ここで間違いないかと思います。
■針尾送信所電信室
ブレイブウィッチーズ佐世保聖地巡礼の目玉となるであろう針尾送信所です。作中では電信室と無線塔が何度か登場します。電信室も無線塔も戦前のカタチなので、実際の景色とのシンクロ率は低いですがインパクトは大きいです。建物目的、観光目的としてだけでも行く価値はあると思います。
まずは電信室から見ていきます。ひかりちゃんのお父さんが技師として勤めてる施設ですね。作中ではひかりちゃんがお父さんにお弁当を届けます。


まずは電信室。写真は現地の解説看板です。
昔の電信室の姿が写ってる写真が載ってる案内看板が現地にあるので見比べてみると良いと思います。こちらはほぼ同じ…ていうかおそらくこの写真を見て描かれたものだと思います。

現在の電信室は、1階が地面の下に埋められた半地下構造になっています。作中の建物と形が違うのはそのせいです。
大正11年竣工当時は作中のような建物でしたが、戦争が激しくなった昭和19年、施設を空襲などから守るため、敵機から隠すために1階を土で覆い半地下にし、屋根も厚くして耐爆性を強化したそうです。

電信室から見る無線塔。この部分は半地下化したときに二階部分に作られた入り口になります。

窓枠の下にはかつて1階にあった平屋の建物(通路?)の屋根だった部分が見受けられます。作中の画像にはその建物の屋根が見えてますよね。
あと、この写真、もうひとつ不自然なところがあると思いません?窓のサッシが妙に新しいのです。これはこの建物が意外と最近まで使われていた証拠です。約20年前まで海上自衛隊と海上保安庁が共同で施設として利用してました。

左下に地下の入り口が見えますね。半地下化する前はここまで平屋の建物があったっぽいので、かつてはここが玄関だったのかもしれません。

右に見えるのが現在使用されてる海上保安庁の送信施設。
■針尾送信所無線塔
続いて無線塔です。


写真は現地の解説看板より。現在の無線塔は煙突のような形をしていますが、かつては作中に描かれてるように塔のてっぺんに一辺18m、重さ9トンの簪(かんざし)がついてました。そしてその3つの簪は空中線でつながってました。


このシーンの無線塔は針尾瀬戸対岸の伊ノ浦郷からの構図だと思われます。写真は住吉神社前から。探せば同じ場所からのポイントもあると思います。今度行ったときに散策してみます。

3本の巨大な塔。それが針尾送信所電波塔。天気が良ければ弓張岳からも見えます。

電波塔の足元から見上げると凄い迫力。まるでバベルの塔。

兵舎跡。土台部分だけ残ってます。戦争末期には兵隊さんたちは自炊のために畑で作物を作っていたそうで、それを無線塔内に保存していたらしいです。

無線塔内部。ガイドさんに案内してもらえます。ところどころ窓があるため思ったほど暗くないです。ただ天気が悪いとやっぱり暗いらしい。上まで続く階段が見えますが、今でも点検のために使われてるらしいです。以前はこの階段を登ったりして遊んでたひともいたようですが、今はもちろん登ったりはできません。

無線塔内部の滑車。資材運搬用です。
さて、針尾送信所は「ニイタカヤマノボレ一二〇八」を暗号電文を送信したと言われていますが、最近の研究ではどうやらそうではないらしいということになってるようです。
この送信施設の送信範囲は関東から、満州、台湾あたりまでで、そちら方面への「ニイタカヤマノボレ」電文の中継はしたのではないかとは言われてますが、太平洋で攻撃命令を待っていた艦隊への直接送信したのは別の送信所だったらしいです。
針尾送信所の送信施設は長波を発信するもの。しかし長波による長距離通信には高出力の電波と長大な無線アンテナを利用するため、巨大な施設が必要でした。
開戦当時はすでに中波、短波が利用されだした時期で、長波は時代遅れになりつつあったようです。終戦前になると長波は殆ど使われることがなくなり、無線塔も食料の貯蔵庫などに利用されていたらしいです。

巨大な煙突のような三本の大きな無線塔ですが、以前は、危険なので取り壊すという話があったようです。しかし地元有志により保存しようという動きがあり、文化財として保存していくことになりました。
佐世保市教育委員会の調査の結果、今でも十分な耐震性を持つことが確認されました。この調査で当時のコンクリート技術の粋を集めて造られた土木技術面でも貴重な文化遺産でもあることがわかりました。今では国の重要文化財にも指定されています。
2013年より、施設の周囲が整備されはじめ、ボランティアガイドさんが常駐して案内もしてくれるようになりました。9時から16時まで見学ができるようになっています。
そういえば、以前、佐世保軍港クルーズに乗った時、ガイドさんが針尾送信所の解説をしてる時に「針尾送信所は最近アニメにも登場したんですよ〜」と案内してました。思わず「それブレイブウィッチーズや!!」って叫びたい衝動に駆られましたw

軍港クルーズで佐世保湾から見る針尾送信所電波塔。
■針尾送信所の無線塔の見える道
Aパート冒頭、ひかりちゃんがお父さんにお弁当を届けるシーン。ひかりちゃんが走ってる道と似たところを見つけました。


電信柱の位置は左右逆ですけど、途中から登ってゆく真っ直ぐな道、左に森と無線塔、右に民家。とても似ている気がします。
場所は国道202号線沿いにある針尾診療所を針尾送信所方向へ曲がって少し行ったところ。国道をはしてると「楠本瑞山旧宅」の案内看板があるので矢印の方向に曲がれば良いです。曲がった後は「楠本瑞山旧宅」のほうには行かずに真っ直ぐ行くとこの場所です。


そのシーンで出てくる針尾送信所無線塔のカット。
無線塔同士の距離が離れすぎてるのが気になりますけど、たぶんここではないかと。3本の無線塔、下に森っていう場所は他にもありそうな気もしますが、ひかりちゃんが走っていく道がここで合ってるなら、そこからパンする無線塔のカットもここのはず。
長くなったので今回はここまで。続きは後編にて。後編では欧州行き選抜試験のシーンに出てきた小島と、作中で何度も出てくるひかりちゃんが能力を使って渡る訓練をしていた入江(桟橋)の舞台探訪していきますよ。
※当エントリーでは作中の画像を比較研究目的により引用しています。画像等の著作権は”2016 島田フミカネ・KADOKAWA/第502統合戦闘航空団 ”に帰属します。
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Blu-ray第1巻。検証のために購入しました。
現時点でそうではないかと思う場所は
- 展海峰展望台
- 弓張岳展望台
- 佐世保湾口
- 針尾送信所送信室
- 針尾送信所無線塔
- 針尾送信所への道
- 針尾瀬戸の弁天島
- 崎針尾漁港もしくは小庵浦
(※太字が前編でレポートするポイント。最後の2ヶ所は後編で)
では、ひとつひとつ見ていきます。
■展海峰展望台
まずはAパートの冒頭に出てくる佐世保の景色。ここは比較的わかりやすい、九十九島ですね。展海峰展望台からの景色です。


展望台からの景色そのままです。島の形、右手下に小さな漁港。ここはシンクロ率高いですね。間違いなくここだと思います。

展海峰パノラマ(クリックして拡大)。作中では左から右へ景色がパンしていきます。


先日、夕方に行った時に撮った写真。


展望台の下には菜の花畑がありました。

先日訪れた時は展望台そばの桜がちょうど満開でした。
■弓張岳
三航戦、考美お姉ちゃんのいる艦隊が佐世保に帰ってくるシーン。入港してくる艦隊をひかりちゃんが出迎えます。
ここも佐世保によく行く人なら見慣れた場所でしょう。佐世保港や市街を見下ろせる弓張岳展望台です。個人的には何度も登ってるのでこのシーンがでたとき「これ弓張やん!!」って思いましたw


時代が違うので建物は少なく描かれてるようですね。しかし立神岸壁をはじめとした港の形状はほぼ同じ。クレーン(SSKのハンマーヘッド型クレーン:1913年竣工)の姿も見えます。港部分の細かい部分の違いは佐世保海軍工廠時代の資料を参考にしてるのかもしれません。
左奥部分の半島に建物がなく、地形も違うのは、この部分は戦後埋め立てられて港湾地区になったからだと思います。緑がある部分が元の海岸線だったのではないかと。

弓張岳からは眼下には佐世保市街、佐世保港、佐世保湾、遠くは針尾送信所の無線塔まで見えます。第二展望台からは九十九島方面も展望できます。
真下にある港は米軍基地。海上自衛隊も桟橋を間借りしてるので護衛艦が停泊してることが多いです。左手が佐世保駅や市街地。その奥が海上自衛隊の倉島岸壁。この倉島岸壁はその名の通りかつては島で、埋め立てて基地にしています。庁舎がある部分が島でした。

弓張岳展望台は夜景も綺麗でございます。

弓張岳展望台パノラマ(クリックして拡大)。右手は九十九島です。
■佐世保湾口
欧州派遣選抜試験のシーン。佐世保湾の湾口です。
佐世保湾で水平線がみえるのはここだけです。軍港クルーズに参加するとこの湾口が見えるところまで案内してくれます。離島などへの船に乗っても見ることができると思います。


あまりはっきりとはわからないけど、半島と半島の間に地平線が見えてるので、ここで間違いないかと思います。
■針尾送信所電信室
ブレイブウィッチーズ佐世保聖地巡礼の目玉となるであろう針尾送信所です。作中では電信室と無線塔が何度か登場します。電信室も無線塔も戦前のカタチなので、実際の景色とのシンクロ率は低いですがインパクトは大きいです。建物目的、観光目的としてだけでも行く価値はあると思います。
まずは電信室から見ていきます。ひかりちゃんのお父さんが技師として勤めてる施設ですね。作中ではひかりちゃんがお父さんにお弁当を届けます。


まずは電信室。写真は現地の解説看板です。
昔の電信室の姿が写ってる写真が載ってる案内看板が現地にあるので見比べてみると良いと思います。こちらはほぼ同じ…ていうかおそらくこの写真を見て描かれたものだと思います。

現在の電信室は、1階が地面の下に埋められた半地下構造になっています。作中の建物と形が違うのはそのせいです。
大正11年竣工当時は作中のような建物でしたが、戦争が激しくなった昭和19年、施設を空襲などから守るため、敵機から隠すために1階を土で覆い半地下にし、屋根も厚くして耐爆性を強化したそうです。

電信室から見る無線塔。この部分は半地下化したときに二階部分に作られた入り口になります。

窓枠の下にはかつて1階にあった平屋の建物(通路?)の屋根だった部分が見受けられます。作中の画像にはその建物の屋根が見えてますよね。
あと、この写真、もうひとつ不自然なところがあると思いません?窓のサッシが妙に新しいのです。これはこの建物が意外と最近まで使われていた証拠です。約20年前まで海上自衛隊と海上保安庁が共同で施設として利用してました。

左下に地下の入り口が見えますね。半地下化する前はここまで平屋の建物があったっぽいので、かつてはここが玄関だったのかもしれません。

右に見えるのが現在使用されてる海上保安庁の送信施設。
■針尾送信所無線塔
続いて無線塔です。


写真は現地の解説看板より。現在の無線塔は煙突のような形をしていますが、かつては作中に描かれてるように塔のてっぺんに一辺18m、重さ9トンの簪(かんざし)がついてました。そしてその3つの簪は空中線でつながってました。


このシーンの無線塔は針尾瀬戸対岸の伊ノ浦郷からの構図だと思われます。写真は住吉神社前から。探せば同じ場所からのポイントもあると思います。今度行ったときに散策してみます。

3本の巨大な塔。それが針尾送信所電波塔。天気が良ければ弓張岳からも見えます。

電波塔の足元から見上げると凄い迫力。まるでバベルの塔。

兵舎跡。土台部分だけ残ってます。戦争末期には兵隊さんたちは自炊のために畑で作物を作っていたそうで、それを無線塔内に保存していたらしいです。

無線塔内部。ガイドさんに案内してもらえます。ところどころ窓があるため思ったほど暗くないです。ただ天気が悪いとやっぱり暗いらしい。上まで続く階段が見えますが、今でも点検のために使われてるらしいです。以前はこの階段を登ったりして遊んでたひともいたようですが、今はもちろん登ったりはできません。

無線塔内部の滑車。資材運搬用です。
さて、針尾送信所は「ニイタカヤマノボレ一二〇八」を暗号電文を送信したと言われていますが、最近の研究ではどうやらそうではないらしいということになってるようです。
この送信施設の送信範囲は関東から、満州、台湾あたりまでで、そちら方面への「ニイタカヤマノボレ」電文の中継はしたのではないかとは言われてますが、太平洋で攻撃命令を待っていた艦隊への直接送信したのは別の送信所だったらしいです。
針尾送信所の送信施設は長波を発信するもの。しかし長波による長距離通信には高出力の電波と長大な無線アンテナを利用するため、巨大な施設が必要でした。
開戦当時はすでに中波、短波が利用されだした時期で、長波は時代遅れになりつつあったようです。終戦前になると長波は殆ど使われることがなくなり、無線塔も食料の貯蔵庫などに利用されていたらしいです。

巨大な煙突のような三本の大きな無線塔ですが、以前は、危険なので取り壊すという話があったようです。しかし地元有志により保存しようという動きがあり、文化財として保存していくことになりました。
佐世保市教育委員会の調査の結果、今でも十分な耐震性を持つことが確認されました。この調査で当時のコンクリート技術の粋を集めて造られた土木技術面でも貴重な文化遺産でもあることがわかりました。今では国の重要文化財にも指定されています。
2013年より、施設の周囲が整備されはじめ、ボランティアガイドさんが常駐して案内もしてくれるようになりました。9時から16時まで見学ができるようになっています。
そういえば、以前、佐世保軍港クルーズに乗った時、ガイドさんが針尾送信所の解説をしてる時に「針尾送信所は最近アニメにも登場したんですよ〜」と案内してました。思わず「それブレイブウィッチーズや!!」って叫びたい衝動に駆られましたw

軍港クルーズで佐世保湾から見る針尾送信所電波塔。
■針尾送信所の無線塔の見える道
Aパート冒頭、ひかりちゃんがお父さんにお弁当を届けるシーン。ひかりちゃんが走ってる道と似たところを見つけました。


電信柱の位置は左右逆ですけど、途中から登ってゆく真っ直ぐな道、左に森と無線塔、右に民家。とても似ている気がします。
場所は国道202号線沿いにある針尾診療所を針尾送信所方向へ曲がって少し行ったところ。国道をはしてると「楠本瑞山旧宅」の案内看板があるので矢印の方向に曲がれば良いです。曲がった後は「楠本瑞山旧宅」のほうには行かずに真っ直ぐ行くとこの場所です。


そのシーンで出てくる針尾送信所無線塔のカット。
無線塔同士の距離が離れすぎてるのが気になりますけど、たぶんここではないかと。3本の無線塔、下に森っていう場所は他にもありそうな気もしますが、ひかりちゃんが走っていく道がここで合ってるなら、そこからパンする無線塔のカットもここのはず。
長くなったので今回はここまで。続きは後編にて。後編では欧州行き選抜試験のシーンに出てきた小島と、作中で何度も出てくるひかりちゃんが能力を使って渡る訓練をしていた入江(桟橋)の舞台探訪していきますよ。
※当エントリーでは作中の画像を比較研究目的により引用しています。画像等の著作権は”2016 島田フミカネ・KADOKAWA/第502統合戦闘航空団 ”に帰属します。
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