先月の5日から公開されている映画「宇宙兄弟」ですが、公開初日に何気なく見に行ってからすっかりハマッてしまいました。

なんだかんだ言って劇場で3回見てしまってますw さすがに実写の邦画で3回見たのは初めてかなーw

今回のエントリーではその映画「宇宙兄弟」について書いてみようと思います。

※ちなみに今回はけっこうネタバレを含んでます。そういうのが嫌な人は読まないほうがいいかも?


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小倉に3回目のストパン映画を見に行ったときに予告を見てなんか気になってしまって、何の予備知識もなく見に行ってみました。

予告は他の映画でも何度も見てたんですがちょっとチャラい感じだったので、あまり関心なかったんですよ。でも、なぜかそのときは見に行ってみようという気分になって本当に気まぐれで見たところ、自分的に大ヒットだったので驚いています。なんか縁があったんだろうなーって感じました。

最初、イオン直方のTOHOシネマで見て、二回目はトリアス久山のTOHOシネマ、3回目は同僚を誘って小倉のシネプレックスでみました。回数を重ねる毎に初回じゃ気が付かなかった事や感じなかった事を新たに発見できて見るたびに面白く感じましたね。


「宇宙兄弟」は小山宙哉による漫画が原作。映画化と同時にTVアニメ化もされていて見比べてみるのも面白いかもしれません。


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小山 宙哉

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あらすじとしては、舞台は2025年の日本。月面に立つ初の日本人宇宙飛行士となる弟「日々人」と、その弟と幼い頃に宇宙飛行士になると約束したものの、別の道を選びなんだかんだあって無職になった兄「六太」との物語。話の主人公は兄のほうで、弟が勝手に応募したJAXAの宇宙飛行士選考試験に挑戦する…という感じですかねー。

もともと弟に対してコンプレックスを持っていた上に、無職になってふてくされていたダメダメな兄貴がなんだかんだで宇宙飛行士になる夢を取り戻し成長していくのが見所かな?




僕にも兄弟がいて(弟じゃなくて兄ですが)、正直コンプレックスみたいなものを持ってたりするので、かなり主人公にはどっぷり感情移入してしまいました。

面接にことごとく落ちてハンバーガーを食べながら街頭テレビに映る宇宙飛行士姿の日々人を見て「なんなんだよ、この差はよ…」とかつぶやくシーンとか、ベッドで「何をやってんだ俺はー!」ってもだえるところなんか他人とは思えなかったデスよ…。

ここまでこの映画に魅力を感じるのは僕の個人的な感情の部分が大きいのかもしれません。だから宇宙飛行士としての夢を取り戻して成長してゆく姿はすごく感じるところが多かったです。

それに僕も兄を失いかけた経験があるので、弟が月面で絶体絶命の事故に遭ったときの主人公の気持ちにめっちゃシンクロしてして、泣けました。閉鎖空間の試験が終わって、たまらなくなって走り出した時の気持ち凄くわかります。ぶっちゃけ僕も医者から話を聞かされたときは一人で車を走らせた時に泣きました…。まあ結果的に大丈夫だったのですけどね。


また閉鎖環境での試験の最後のシーンで「…俺たちはもっと宇宙の話をしよう」って言った部分はすごく心にズキュン!って来ました。

人によっては自分が模型を壊した事をバラすのかとハラハラさせられてその台詞だったのでズコー!ってなるシーンなのかもしれませんけどね。

僕も天文好きで星とか宇宙の話をするときがありますが、やっぱり変わり者だなあ…って反応されて熱く語れないってう経験ありますからね。そういうときはどうしようもなく寂しい気持ちになってしまうものですよ。

なのでホント、気持ちが分かりすぎて泣けました。はやり好き同士でなければなかなか気持ちを共有できないっていうのはあると思います。そう言う同じ気持ちを持った人たちと出会えて楽しかったっていう六太の気持ち、よくわかるなあ。そして戸惑いながらも宇宙への想いを語る登場人物達がほほえましく思えました。


そしていちばん印象的だったのがクライマックスのシーン。日々人が事故でクレーターに落ちて命の危機にさらされるシーンです。

あの事故、なぜ日々人が助かったのか意味がわかってない人も少なくないと思いますが、意味のわかった僕としては劇中の日々人と一緒に泣きたくなりました。あれ地球に助けられたって事なのですよね。

最初UFOが助けにきたのか!?って思って興ざめだなーって身構えたところに地球が映って心の中で「あああああああ…」ってなりました。

クレーターに落ちて太陽の光が届かず、しかも宇宙服の体温調整装置が壊れていて凍え死ぬのを待つ状態なのでしたよね。月面…というか宇宙は地球上と違って陽の当たる部分と影の部分では激しく温度が変わるものなのですよ。なので日々人は体温を奪われ命の危機に晒されていた訳ですね。

それでなんで地球が見えて助かったのかというと、地球が太陽の光を反射してクレーターの影の部分に太陽の光(=熱)を届けてくれたからなんです!いわば母なる地球に救われたと。そしてその瞬間、地球上では六太のほうも月を見上げて弟の無事を願ってた訳ですから兄の気持ちが弟に届いたって表現にもなると思います。

ただ単に地球が見えて日々人が奮起して立ち上がったという単純な理由だと勘違いしてる人も多いんじゃないかなー。あそこの意味がわからないと感動の量も違ってくるような気がします。


兄弟のやりとり的な部分もけっこう好きです。日々人の卑屈に愚痴る六太に「むっちゃん、つまんねーよ…」と言う台詞のシーンと、同じく日々人がロケット打ち上げ台に向かうバスに乗るときに六太に「むっちゃん行かないの?」っていうシーンはめっちゃ好き。実生活で使えそうな場面に遭遇したら台詞を真似したくなるほどですw

あと台詞で言えば、選考の会議で六太ともうひとりのどちらを選ぶか話し合ってるシーンで「だって夢があるじゃないかー」って台詞も好きです。まあもう一人のほうもそれなりの夢や想いがあったと思うのでちょっと可哀想ではありましたがw


それと日々人の乗ったロケットの打ち上げのシーンがめっちゃ格好いいですw あの勢いあるシーンはとてもドキドキしますもんw ロケットが打ちあがる所を見守る六太と一緒に「いけええええ!」って叫びたくなりますw そしてコックピットで日々人をはじめクルーの身体が浮くシーンは「うおおおおお!」ってなりますもん。


そういえば打ち上げシーンに六太を呼び止めた老人って何者?って思いましたが、エドウィン・オルドリン宇宙飛行本人なのらしいです。この人はかのアームストロングと一緒に月面歩行を行った人みたいです。なるほどなー。あとちらっとですが宇宙飛行士の野口聡一さんも一瞬出てましたねー。


なんか演出がいちいち格好良くて画面的にも良かったと思います。まあ若干チャラい印象が鼻にはつきましたがそれが逆にこの映画の雰囲気を独特のものにしてたのかな?って思いました。アニメや原作とはちょっと雰囲気違うなって感じたのはこの演出の部分の影響が大きかったと思います。


またオープニングと主題歌の曲(エンディングの曲)も良いですね。オープニングはプライマル・スクリームの「Rocks」、主題歌はコールドプレイの「ウォーターフォール〜一粒の涙は滝のごとく」という曲です。「iTunes Music Store」で探したらすぐに見つかったので速攻購入致しましたw もちろんヘビーサイクルで聴いてますw




アニメ版もとりあえず放送分は全部見て、原作も1巻は買いました。ただ原作は18巻まであるので集めるとすれば先は長いですがw 

原作やアニメ版とはけっこう違いカットしてある話も多いし、前後している部分もあって、そちらから入った人は評価が違ってくる気はします。3回目一緒に行った同僚は六太の声に違和感あるって話してました。

映画から入った人は原作をよめば、いろいろと内容を補足できて面白いかなって思います。六太が自動車デザインの仕事の面接にことごとく落ちた裏の事情とかは映画では語られてませんし。

まあ映画の時間制限のなかで上手くまとまっていたとは思います。試験が終わってから兄弟で宇宙にいくシーンまでが唐突ではありますが、あれは仕方がないかなとは思います。


そんな訳で人によってはコメディ要素のつよい映画って評価をされてますが、僕個人としては感動作って印象が強かったです。ほんと見てよかったなーって思いました。3回みましたが、まだ見足らないって感じですものw

同時期に「テルマエ・ロマエ」も見たのですが、世間的にはこっちのほうが評価高いようですねえ…。「テルマエ・ロマエ」も面白かったのですが、個人的には「宇宙兄弟」のほうが断然上だと思いました。

「宇宙兄弟」僕的には忘れられない映画となったと思います。将来ブルーレイ化されたら買ってじっくり見てみたいですねー。



■追記1

2回目にトリアス久山のTOHOシネマで見たとき、横に座っていた観客の態度があまりに酷くて映画に集中できなかったのは残念でした。

ずっと前の座席に足を挙げっぱなしで嫌でも目に付いたし、寝ていびきかいたり食べ散らかしたりしてたので、気になって仕方がなかったです。

彼らが去ったあとのゴミの散らかり具合は目に余るものがありました。座席指定は便利ですがこういう事もあるんで困りますね…。すごく気分わるかったです。

3回目を改めて見にいったのはそういう理由もありました。もしこれが1回目だったらたぶん映画自体の評価も変わってしまっていたと思います。仕方がないとはいえ、こういうマナーの悪い人は映画館に見に来ないでほしいですよ…。


■追記2

いい加減JAXAに聖地巡礼にいってみたいwww「はやぶさ」のぶんも含めてw


<関連記事>岡山天文博物館とプラネタリウム版「宇宙兄弟」(渚屋のてんぷら)



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