私がギャルゲを好む理由は、萌え絵好きとか、ラブコメ好きとか、さまざまな要因はあるのですけど、その中でギャルゲ特有のおおきな理由がひとつあるんです。それを今回は書いてみたいと思います。

ちなみに、便宜上、ギャルゲと言いますが、今回の話の対象になるギャルゲとはエロゲも含む選択式のオーソドックスな恋愛ゲームの話だと思ってくださいな。


基本的に私はラブコメって好きなんですけど、アニメにしても漫画にしてもラノベにしても、不満に思う要因がひとつあります。それは物語の構造上どうしようもない事なんですけど、物語を読み終わった後、見終わった後に、フラストレーションを感じてしまうのです。

それは主人公がメインヒロイン以外で自分(=視聴者、読者)が贔屓しているキャラと結ばれないこと。物語を疑似体験だとして考えた場合、そして主人公に感情移入して物語を楽しんだ場合、メインヒロインより気になるキャラがいると、そのキャラと結ばれない事は、どこかモヤモヤした後味を残してしまうことになります。

自分だったら、絶対こっちの子の方を選ぶのにっ
とか思っちゃうこと、皆さんにはないでしょうか? 私は困ったことにしょっちゅうあるんですよ。

私の性癖なのか、ただ単に私がひねくれてるせいなのか、ヒロインよりライバルキャラや脇役に惹かれる事が多いんです。私は基本的に典型的なヒロインキャラって好きじゃないですし、ヒロインに張り合って一生懸命気を気を惹こうとするキャラだったり、恋愛感情がなさそうに見える女友達だったり、主人公に密かな思いを寄せてる脇役キャラだったり、設定的に結ばれないようなキャラ(教師だったり、姉妹だったり)を応援したくなる質なんですよ。

一見、主人公とは結ばれそうにない、そんな意外なキャラと結ばれていくストーリーが大好きだったりします。私がツンデレ好きなのも、冷たい態度をとったり、主人公に嫌味を言ったりして、表面だけを見れば、とても主人公とハッピーエンドになりそうにないキャラが、主人公と結ばれるその話の展開に惹かれるんです。


古い例えで恐縮ですが「めぞん一刻」だったら”響子さん”より”こずえ”や”八神”を応援してしまったり「きまぐれオレンジロード」では”まどか”より”ひかる”を応援してしまったりとかですかね。比較的最近のアニメで言えば、「灼眼のシャナ」で”シャナ”より”吉田”のほうがいいと思ったり、「おねがいティーチャー」ではみずほ先生より小石のほうを応戦しちゃいたくなってしまったりとかですかね。


しかし一本道のアニメとか漫画とかラノベとかの物語は、主人公とメインヒロインが結ばれて終わるものが圧倒的に多いです。もともと主人公が好きだったキャラ、もしくは典型的なヒロインの立ち位置にいるキャラとのハッピーエンドがデフォルトです。それは仕方のないことだとは思います。1つの流れのストーリーしか描けないから、描くなら一番美味しい位置にいるキャラの話になるはずです。

希に、意外性を突いて本来ライバルだったキャラなどと結ばれるエンディングを迎える物語もなくはないですけど、はやり王道にくらべれば少ないでしょう。


ところが、それがノベルゲーなどのゲームであれば、プレイヤー(=主人公)の好みのキャラとの物語を楽しめ、エンディングを迎える事が出来る。これぞ私が望んでいた物語の形って思いましたね。

当て馬的な役割の立ち位置にいるライバルキャラ、脇役的な立ち位置いるキャラとの物語が用意されている。アニメとか漫画などの従来の物語では報われなかった想いにプレーヤーの選択次第で応えることができる。意外なキャラが攻略できたりできる。

この手のギャルゲを初めてプレイしたとき、そんな自由なところが嬉しかったですね。プレイヤーが望めばどの子とも物語を描ける。選択肢次第で、どの子とも結ばれる可能性がある。本来の物語では見ることの出来ない物語が見られる。そんなところに私は魅力を感じます。

だから、できるだけ登場するキャラクターは全員攻略できるようにしてほしいですね。ギャルゲだからこそ、好みのキャラにシナリオが用意されていないとがっかりしてしまう私です。

でも、ギャルゲの中にも残念ながら、魅力的なのに攻略できないキャラがいるパターンも多いです。制作の関係とか容量の都合とか、シナリオの構造上やキャラの設定上難しいとか、はたまた仕様なんでしかたかないとか、いろいろと理由はありますが、こういうのはギャルゲの利点を減らしてるような気がします。

ああああ、もう、なんでこのキャラが攻略できないんだよっ!俺にシナリオ書かせろよっ!て思ってしまうこともよくあります。

ホント、一生懸命ルート探して、実はルートが無いって知ったときは愕然としますよ。オフィシャルサイトでどうみてもヒロイン扱いのキャラが、ゲームが出てみると非攻略対象キャラだったりしたりするとショックです。中にはあからさまに制作が間に合わなくてルート作らなかったんだろうって思える酷いパターンもあります。

最近遊んだゲームで覚えてるのが「Peace@Pieces」(ユニゾンシフト)の響子様。あんなキャラ的に美味しいキャラにシナリオがないなんて信じられませんでした。ツンデレわがままお嬢様キャラは私のツボなんですよ。登場シーンも多かったし、まさか非攻略キャラだとは思いませんでした。気付くまで何度プレイし直した事か…。ファンディスクにも期待したんだけど、裏切られてショボーンでしたよ。

あとシナリオあってもおまけ扱いで、大いに不満が残るキャラというのもありますね。特にエロゲがコンシューマーに移植された際の追加キャラ。さんざん期待させておいて、実際プレイすると、宣伝文句の為につくりました感がたっぷりてしたってパターン多いです。

悲しいことに私が良いなって思うキャラは攻略できなかったり、シナリオが短かったりするパターンが多いです。だからこそ、意外なキャラにシナリオがあったり、ファンディスクや移植で攻略可能になったりすると嬉しいんですけどね。


そんな訳で、私が思うにギャルゲの良さは、どんなキャラクターとも愛し合える、結末を迎えることができる。てところです。そこにギャルゲがゲームである事による構造的な強みがあるように想います。

ギャルゲ制作者のみなさん、どうか、可能な限り、多くの登場キャラクターに活躍の場を持たせてあげてください。それが可能だからこそのゲームに期待する訳ですからね。期待して買って、お気に入りのキャラが攻略できにない事ほど悲しいことはありませんから。いっぱいシナリオが必要なので大変な事だとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。



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