
最近やたらとアニメ化されメディアミックス化されている気がするライトノベル。昔はラノベ原作でメディアミックスされる作品は少なかった気がしますが、最近はそういう事が普通になりつつあり、業界内で地味に人気の高かった作品が、アニメ化で一般オタク層にも人気の火がつくという現象が多いように思えます。
古くは「ロードス島」や「風の大陸」「銀英伝」(銀英伝をラノベというと怒られそうだが…)あたりから始まって、「スレイヤーズ」や「オーフェン」「タイラー」あたりで、徐々にアニメ化も一般化されはじめ、最近では「涼宮ハルヒの憂鬱」や「狼と香辛料」「とらドラ!」などライトノベル原作からメディアミックスされるのが珍しくないようになりました。
昔はけっこうその逆、アニメやゲームからノベルになるものが多かった気がしますが、近年になって原作として評価されるようになってきたように感じます。ライトノベルも市民権を得るようになってきたのかもしれません。
■私とライトノベルの出会い(1980年代)
そもそも私がライトノベルを読み始めたのは小学校高学年のころから。80年代中盤ですね。私はコミック熱心に読み始めた時期より、ライトノベルを熱心に読みはじめた時期のほうが早いです。
ちょうどライトノベルの黎明期だったと言えるんではないでしょうか。「徳間アニメージュ文庫」と「スニーカー文庫」くらいしかレーベルは無かったですね。売り場面積も棚の1段から2段くらい。一般小説に埋もれる形で置いてありました。店によってはゲームブックと一緒においてあったりしたかな?取り扱いのない店もめずらしくありませんでした。
一番最初に読んだ覚えのあるのは「デジタルデビルストーリー女神転生」。今考えとあんなエロイというかエグイ話を小学生がよく読んだものだとは思いますが…。確かアニメ化された影響で読んだんだと思います。当時、レンタルビデオさえ1泊500円以上した時代。OVAなんて小学生が見れるものではありませんでしたからね。なら小説でってことで買ったんだと思います。続刊の最後の主人公の台詞「僕は世界より君を選ぶ(みたいな台詞だったと思う)」は当時、衝撃的でした。
あと記憶にあるのは「永遠のフィレーナ」とか「死人にシナチク」とかかな?他にもいろいろ読んだとは思いますけどわすれちゃいました。
現在、私の蔵書の中に残っているのが「舞い降りた天使」(遠藤明範・著)この作品は当時いちばんのお気に入りでした。内容は感情が高まると周囲にある機器を壊してしまう超能力を持った少女と大学生の恋物語。すごくドキドキしながら読んだのを覚えています。初版を見ると1987年になっていますね。今から22年前です。
この辺りはまさにラノベの古典。短いラノベの歴史はこのあたりが出発点だったんじゃないでしょうか。今のラノベの様式もこの頃、出来上がったたものだと思います。
また、その頃は、どちらかというとアニメ作品のノベライズという形のものが多かったと記憶しています。「風の谷のナウシカ」とか「機動戦士ガンダム」とかの小説版。そんなのが中心でした。ライトノベルオリジナルのものは数えるほどしかったんじゃないでしょうか。
今ではラノベの老舗と言われる「角川スニーカー文庫」ですが、「”スニーカー”文庫」という名前が名付けられましたというアナウンスをチラシか帯で読んだのを覚えてます。
■私の第一次ライトノベル黄金期(1990年代)
中学時代は、たまに買って読んでいた程度だったんですけど、高校になって、同じ趣味の友人が出来たことにより、ライトノベルのコレクションは一気に増えました。一番良く買っていたのは高校3年生の時でしたね。
当時は「富士見ファンタジア文庫」と「角川アニメージュ文庫」がしのぎを削っていた時代だったと思います。(富士見ファンタジア文庫は最近、勢いが落ちてるように感じますが…)
特に私は冴木忍(「卵王子カイルロッド」「天高く、雲は流れ」など)の本が大好きで、出た本は全部読みました。「空みて歩こう」と「風の歌 星の道」がとても好きで何度も読み返したものです。
冴木先生、当時は売れっ子作家だったと思うんですけど、結局アニメ化とかメディアミックスがほとんどされなかったですね。ファンとしては残念でした。今だと「カイルロッド」とか絶対アニメ化とかされてたと思います。同じ田中久仁彦絵なら「ファム&イーリー」より「カイルロッド」をアニメ化して欲しかったなあ。(ファム&イーリーも好きだけれど)
高校の時、私の中でのラノベブームの火付け役は「フォーチュン・クエスト」(深沢美潮・著)だったように記憶しています。イラストの迎夏美さんが好きで読んだのがきっかけ。
あと「風の大陸」(竹河聖)は友人に映画につれていかれてからはまりました。「巡検使カルナー」シリーズとかも何度も読んだなあ。
他に、神坂一(日帰りクエスト、スレイヤーズ、ロストユニバースなど)吉岡平(宇宙一の無責任男、ユミナ戦記など)麻生俊平(ザンヤルマの剣士など)あたりが好きでしたね。
また「蓬莱学園の犯罪」(新城十馬・著、蓬莱学園シリーズ第2作目)と「蓬莱学園の魔獣」(同3作目)は未だに史上最高のライトノベルだったと思ってます。話の展開もさることながら、独特の文章の面白さに凄く引かれました。蓬莱学園シリーズは続編が途中から出なくなったのが今でも悔やまれます。
当時は暇を見つけては本屋巡りをし、暇をみつけてはライトノベルを読んでました。当時はネットとかなかったんでハズレを引かされることも多かったですが、それでも楽しかったなあ。そのころはコミック収集にも凝りはじめた頃でしたが、書籍購入の中心はライトノベルでしたね。
また、イラストについて語るのも忘れちゃいけません。当時、私は漫画家かイラストレーターになる事を夢見ていて、絵描きさんについてすごく興味持っていた時期でした。ラノベの挿絵から知った作家さんも多く、いのまたむつみや山田章博、弘司、田中久仁彦や鈴木雅久などの作家さんを知るきっかけとなりました。
「タイラーの絵は都築さん以外は認めん!」とか「メルヴィ&カシムの挿絵は何で竹井正樹に変わったんだ!(当時、竹井正樹は大嫌いな作家だった)」とか「蓬莱学園シリーズの挿絵が中村博文から美樹本晴彦に変わったのは中村氏があまりに遅筆なせいだったらしいぞ」とか、イラスト関連でもいろいろありましたね。
私は基本的に雑誌は買わない主義ですが、ドラゴンマガジン(富士見書房)はちょくちょく買ってた覚えがあります。しかも読者ページにイラスト送ったりしてました。掲載されたのは1回きりでしたが…。今でも倉庫をさがせばガメル札が出てくると思います。
そんな訳でライトノベルという物は私の青春だったと言っていいかもしれません。
■私の第二次ライトノベル黄金期(2000年代)
社会人になって、私がライトノベルを買うのもだんだんと少なくなっていきました。
2000年から2005年ごろは時々、気になる作家の続編とかを買うくらいで、積極的にライトノベルを買わなくなりました。業界としてもこの時期、勢いが一端無くなっていた気がします。特に私のライノベ購入の中心的役割だった富士見ファンタジア文庫に勢いがなくなって、次第に買わなくなって来てました。
私の年齢も30代になり、もういい加減、私もいい歳だし、ライトノベルもこのまま自然消滅的に卒業かなって思うようになってきました。途中「十二国記」(小野不由美・著)を読んで少し再熱したものの、惰性で読んでいた「天高く、雲は流れ」(冴木忍・著)が終われば、もう終了かなって思っていました。
しかし2006年頃から再び勢いが戻ってきました。私のラノベブームに再び火を付けたのが「涼宮ハルヒの憂鬱」(谷川流・著)です。もちろんアニメ化になる前です。アニメになる以前もライトノベル界隈では話題になってましたからね。
読んでみようと思ったきっかけはイラストだった気がします。当時「忘レナ草」とか「こもれびに揺れる魂の声」などのいとうのいぢさんゲンガーのゲームやってましたからね。それに話題性もあって読んでみようと思ったんだと思います。
次にヒットしたのが「わたしたちの田村くん」(竹宮ゆゆこ・著)。タイトルが目に付いたのが最初だったと思います。なんとタイトル買いです。続いて同じ作者と絵師コンビの「とらドラ!」を買いました。そして見事にはまってしまいます。
また、話題のタイトルって事で「狼と香辛料」(支倉凍砂・著)を買いました。商取引をベースにした今までにない斬新な設定のファンタジーに度肝を抜かれました。
アニメ化の影響で読んだ本としては「灼眼のシャナ」(高橋弥七郎・著)「我が家のお稲荷さま。」(柴村仁・著)「ゼロの使い魔」(ヤマグチノボル・著)などが続きます。間があいたもので、「シャナ」と「ゼロ魔」は途中で止まってますが、そのうちまた1から読み直して新刊に追いつきたいと思ってます。お稲荷様は早く続編を出して欲しいです。作家様お願いします。
あとはまあ適当に話題のタイトルを買って読んでます。確かにハズレも多いですが、良作と出会ったときの感動があると思えばなんてことありません。ゲームで地雷踏むよりは全然マシです。
そういう訳で、私とライトノベルとのつきあいをつらつらと書き殴っていきましたが、後編では私がライトノベルというもに対して思うことをいろいろと書いていきたいと思います。
<【後編】「ラノベとは?かく思う」に続く>
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