
田中ロミオ(別名:山田一)さんといえば、エロゲ、ギャルゲの超人気シナリオライターで、ライター買いするファンもいるほど。
シナリオライターをあまりチェックしない私ですら、知っている名前でした。
私自身プレイした事あるゲームで言えばディーオーの「星空ぷらねっと」と「家族計画」。昔は、ディーオーに所属してましたが、最近はフリーランスで活躍されている模様。「CROSS†CHANNEL」(FlyingShine) 「最果てのイマ」(ザウス(純米))「神樹の館」(Meteor) 「加奈〜いもうと〜」(ディーオー)などがあります。
独特の言い回しや、ギャグ表現は「ロミオ節」と呼ばれ、ファンを惹きつけている様です。今回、ライトノベル初作品という事で、ファンをはじめとして多くの人が興味を持ったのではないでしょうか。
さて「人類は衰退しました」の感想なんですが、意外と終始ぬるい感じで話は進んでいきました。
タイトルからして北斗の拳ばりに荒廃した世界、シリアスな展開、失意と絶望に彩られた世界…なんて印象でしかが、全然違いましたね。
人類は戦争とかで衰退しているのではなく、自然淘汰的に、人口および文化が、ゆるやかに減少、衰退している世界で、人類が”妖精”と呼ばれる新人類に取って変わられようとしている世界。話の展開としても、童話風に緩く楽しく進行していきます。
主人公は教育機関を卒業して、生まれ故郷に新人類である”妖精さん”たちとの間をとりもつ”調停官”として帰って来た女の子。調停官として妖精さん達とのふれあいを描く観察記録みたいなお話です。
主人公や妖精さん達をはじめとした登場人物たちの台詞回しが面白く、さすがにこの辺はいわゆる「ロミオ節」全開だなあといった感じです。楽しく最後まで読めました。
ただ、話の展開としては、これといった転換点も山場もなく、最後までぬるい感じで終わりました。
絵は山崎透さんという方。残念ながら私は存じ上げないんですが、この作品の雰囲気にあったかわいらしい絵で作品を盛り上げていて、ひじょうに良いです。
続編があるのかな?といった終わり方で、作家も続きがあるような事をあとがきで書いていましたが、今のところ続刊は決定していない模様。これは是非続きを出してもらいたい。
内容的に多少人を選びそうな感じはしますが、田中ロミオさんのファン及びこういうぬるい展開を許容できる人にはお薦めです。
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