2008年8月3日午後4時。

その時刻、私、夕凪雄那は新門司港のフェリーターミナルに居ました。

在職中は自分の時間がまったく取れなかった私。やめたらいの一番に旅に出ようと、それを支えに退職の日まで頑張りました。1ヶ月以上前から空いた時間をなんとか見つけ、コツコツ計画を立て手続きをして、旅行の計画を立ててきました。いよいよそれが実行に移される時が来たのです。


新門司港

新門司港フェリーターミナル

■はじまりは船旅から


計画では初日から「青春18切符」を使用して列車で行く予定だったのですが、退職日がずれにずれ込んで、前日までハードな仕事をしなければならないという状況になったため、予定変更。初日は体を休めつつ移動できるフェリーを利用する事にしました。

フェリーを使えば、出発を早朝から夕方にずらせるし、夜も他の交通手段に比べると比較的ゆっくり眠れますからね。初日から疲れを溜め込んでしまうという事態を避けたかったのですよ。

それに船旅も嫌いじゃないですしね。瀬戸内海航路は夜景も楽しめ、しまなみ海道、瀬戸大橋や明石大橋などの見所も多い。また関西方面に旅行する時はフェリーを利用する事が多かったので、思い入れが深いという事もありました。

そんな訳で、「青春18切符の旅」と銘打ちながら、旅の始めは船旅となったのでした。


■阪九フェリー「やまと」出航


今回利用したのは新門司港発、神戸六甲アイランド港行の阪九フェリー。前回(約10年ほど前)大阪に行く時に乗ったのは名門大洋フェリーでしたので、阪九フェリーは15年ぶりくらいの乗船でした。

その時期はちょうど原油が高騰していた時だったので、運賃がかなり値上がりしていました。フェリーでの旅を選ぶ理由として経済的だという事があると思うんですけど、今回はその恩恵をあまり受ける事ができませんでした。激安長距離バスのほうがきっと安かったと思います。今回は2等自由席利用で6750円(ネット割引利用:通常7500円(繁忙期料金))。昔利用した時が確か4800円だから1.5倍ほどになっていました。


私は余裕を持って家を出たので、出航の3時間近く前にターミナルに到着。受付が開くのを待って、1番に手続き。待ち時間があまりに長く、もう少し遅くても良かったと、少し後悔しましたが、旅の計画を見直したり、写真を撮ったりしながら、わくわくした気持ちで出航を待ちました。

最初は誰もいなかったターミナル待合室も、出航間際には大勢の人間でごった返していました。


フェリーやまと

神戸行き阪九フェリー「やまと」(全長:195m 全幅:26.4m 総トン数:13353トン)

久々に乗る阪九フェリー。以前乗ったのは「ニューやまと」だったと思う。国内定期航路客船で1万トン以上の船というのはそれほど多くないはず。不沈鑑だと言われながら沈んだ戦艦と同じ名前はどうなのかと思わなくもない。

フェリーやまと(前)

「フェリーやまと」正面から

フェリーやまと(横)

「フェリーやまと」横から
フェリーすおう

「フェリーすおう」


午後6時10分。定刻通り、船は新門司港を出航。

私は2等船室の一番奥の部屋の窓側に陣取り、荷物を置きました。私が入った部屋は、しばらくするとほぼ満員になりました。他の部屋もほとんど埋まっていて、乗船客はけっこういるようでした。とりあえず、貴重品などはロッカーに入れ、他は船室の棚に置きました。

そして、さっそく屋上甲板に遊びに行きます。天候は晴れ。夕日を浴びて船は後退しつつ、岸壁を離れます。

私は屋上デッキで出航の瞬間を見物。デッキの上を飛んでいたたくさんのトンボが一気に船を離れて行く光景が見られました。

名門大洋フェリー「ニューきょうと2」

名門大洋フェリー「ニューきょうと2」

同じ門司港に停泊していた名門大洋フェリーの「ニューきょうと2」。19時50分の出航を待っていると思われる。前回(10年前)、関西に行ったときにはこの名門大洋フェリーに乗った。

新門司港より新北九州空港

新門司港より新北九州空港

新門司港から見える新北九州空港。連絡橋は通行料無料の橋では日本一長い(2008年8月現在)。

■瀬戸内の景色を楽しみながら。


午後7時。船内レストランで夕食。その後、船内最上階にある風呂へ。船の中の風呂の割には広くていい感じでした。窓から眺める海の景色も楽しめるし、けっこう長いこと入浴してしまいました。

1日目夕食

船内レストランで食事

基本セルフサービスの割に、決して安くはない船内レストラン。味はけっこういけた。営業時間があまり長くないのでレストランを利用する時には注意が必要だ。この夕食の他に風呂上がりにざるうどんとビールを食す。


それから寝るまでの間、ほとんどを船室には戻りませんでした。船内を探索したり、プロムナードに行ったり、デッキから夜空や対岸の夜景を眺めたりして過ごしました。広島付近で、遠くに花火が撃ち上がってるのが見えたりして楽しかったです。

エントランス1

エントランス2

エントランス

プロムナード1

プロムナード2

プロムナード

屋上デッキ1

屋上デッキ2

屋上デッキ


瀬戸内海航路での船旅では、音楽を聴きながら景色を楽しむのが私の昔からのスタイル。瀬戸内海はだいたいの場所で対岸が見えて、その変化を見るのは楽しい。街の灯り、灯台の灯り。流れる車のライト、行き交う船の灯り。満天の星空、海面に映る月の光。それらが静かな美しさを放ち流れてゆく。この感動はなかなか言葉では言い表せません。どれもが素晴らしい。

思えば、美しい風景とかに出会うのに価値を見いだしたのは、この瀬戸内海航路上の事でした。中学の時、フェリーで大阪へ向かった時、この景色にいたく感動して、一晩中起きて景色を見ていたのを思い出します。思えばあの夜が私のいろんなことの原点だったと思う。

この景色に再び出会て昔の気持ちを思い出しました。この1点においても今回の旅は有意義だったと思います。

煙突と空

煙突と空

さよなら九州、しばしの別れ

さよなら九州、しばしの別れ
周防灘に停泊中のフェリー

周防灘に停泊中のフェリー

屋上デッキの夕景

屋上デッキの夕景

夜の屋上デッキ2

夜の屋上デッキ

夜の屋上デッキ



■しまなみ海道の下をくぐる


とりあえず、しまなみ海道の下を通る午後11時半までは起きていようと思いました。消灯時間が過ぎるとデッキはほとんど人がいなくなります。真夏とはいえ、夜の海風は冷たい。私も出来るだけ壁のあるほうに寄って、風を避けながら、海を眺めました。

午後11時過ぎ。対岸が近くなり、小さな港や海沿いの道路に車が走っているのが近くで見えるようになってきました。そして島影が迫って来て、船が大きく進路を変えます。いよいよしまなみ海道の橋の下をくぐる時です。

橋の下をくぐるとき、煙突が当たりそうに見えるほど橋が近くに見えました。すごい迫力。がんばって起きて待っていた甲斐があったというものです。

次の瀬戸大橋通過は2時10分。しかし疲れを残して旅立った私にはそこまで起きている元気はありませんでした。しまなみ海道通過後、しばらくデッキにいましたが、さすがに抗いがたい眠気を感じで2等船室に戻って眠りました。隣人のいびきに何度も起こされたものの、まずまず満足行く睡眠がとれたと思います。


そんな感じで1日目が終わりました。次はいよいよ神戸上陸。18キッパーデビューの時です。



にっぽん全国たのしい船旅 2008-2009―フェリー・旅客船の津々浦々紀行 (2008) (イカロス・ムック)にっぽん全国たのしい船旅 2008-2009―フェリー・旅客船の津々浦々紀行 (2008) (イカロス・ムック)

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