九州の鉄道博物館といえばココ!北九州市門司区の門司港レトロにある九州鉄道記念館。2003年8月に開館した鉄道保存展示施設です。

古い車両の展示、鉄道の歴史と資料の展示、電車の運転シミュレーター、鉄道模型大ジオラマ、ミニ鉄道公園にてミニ鉄道の運転体験などがあります。

今回は2009年4月30日に友人と門司港レトロに行ったときのレポート第2弾、九州鉄道記念館編を書いていこうと思います。


九州鉄道記念館表札


■九州鉄道記念館の概要

九州鉄道記念館中央ゲート

九州鉄道記念館中央ゲート。

旧0哩標と旧駅標

旧0哩標と旧駅標
九州鉄道会社旧0哩標

旧0哩標



■九州鉄道記念館見学れぽ「展示車両編」

自動券売機で入場券を買って、中央ゲートから入館します。まずは8輌の車両が並ぶ車両展示コーナーから見学です。

最初に置いてあるのが2輌の蒸気機関車です。「9600型蒸気機関車(59634号)」と「C59形蒸気機関車(C59 1号)」です。北部九州では私が生まれた頃までSLが普通に走っていたようです。


「9600型蒸気機関車(59634号)」は北九州地区を走っていた最後の蒸気機関車です。大正11年に川崎造船所で製造されました。この車両はその番号から「ごくろうさんよ(59634)」と呼ばれていたらしいです。

この「9600形蒸気機関車」は初の国産貨物機関車だったそうで1913年(大正2年)から1926年(大正15年)までの間に770輌が作られたらしいです。「キューロク」、「クンロク」と愛称で親しまれ、九州全域はもちろんのこと、四国を除く日本全国で長く使用されていたそうです。この型式は最後まで稼動した蒸気機関車として寿命の長い形式となりました。

59634号は昭和49年に米坂線(山形県米沢駅〜新潟県坂町駅)から後藤寺機関区に転属し、1年足らずの間でしたが筑豊地区を走りました。北九州地区を走った最後の蒸気機関車の1両です。

59634号正面

9600型蒸気機関車(59634号)

59634号右前方から

9600型蒸気機関車(59634号)側面
59634号運転室

窓の下の”後”はおそらく後藤寺機関区の標


「C59形蒸気機関車(C59 1号)」は東海道線、山陽線の主力機関車として製造されました。昭和31年に九州に転属し、特急「あさがぜ」などを牽引したようです。昭和16年に汽車製造にて製造されました。準鉄道記念物に指定されています。C59型は鉄道省が設計した、幹線旅客列車用テンダー式蒸気機関車で、当時、東海道線、山陽線の2大幹線で活躍していたC53形の後継として設計されました。信頼性も高く、C62型が出るまでは特急の花形でした。173両が生産されました。

C59

C59後方より

C59 1号

C59運転室

C59 1号の運転室
C59運転室内

C59 1号の運転室内


次に展示してあるのが電気機関車2両です。

「EF10形電気機関車(EF10 35号)」は関門トンネル開通時に区間の電化に対応して配置されたトンネル専用の直流電気機関車で昭和36年まで当区間を走る列車は全てこの形車両でした。製造は昭和16年「C59 1号」と同じ年に製造されました。電気機関車と蒸気機関車が同じ年に製造されているのはちょっと意外だったかも。製造は東芝。1942年までに41輌が生産されています。

EF10形電気機関車

EF10形電気機関車

EF10形電気機関車正面

EF10形電気機関車正面から
EF10形電気機関車プレート

EF10形電気機関車プレート


「ED72形電気機関車(ED72 1号)」は九州向けに製造された、九州初の交流専用電機機関車。暖房用のボイラーを乗せているために車長が長く、ボイラーを搭載したために車重が重くなり、それを支える為、中央に動力が伝わらない中間台車があります。暖房用ボイラー搭載車なので、主に客車を牽引してました。のちに暖房が蒸気から電気に変わり、ボイラーが必要ではなくなった為、使用を客車に限定する必要がなくなり晩年は貨物列車機関車として活躍しました。

この1号は試作機で他のED72形とは若干趣が異なっているそうです。製造は昭和36年。東芝で22輌が製造されました。当車両は昭和51年に、他は昭和57年までに全て引退しました。

ED72形電気機関車正面

ED72形電気機関車(ED72 1号)

ED72形電気機関車

中央に暖房用ボイラーを搭載してる為車長が長い


続いて客車3両。

「キハ07形気動車(キハ07 41号)」は今は無き宮原線(大分の恵良〜肥後小国を走っていた線。1984年に廃線)を走っていた一般形ディーゼル動車です。当時流行った流線形を思わせる半円形スタイルが特徴。運転席にはバスみたいにクラッチと棒ギアがあります。国鉄で使用された最後の機械式気動車の1輌です。この車両は昭和12年に日本車両にて製造されました。この車両は車内を見学することもできます。

キハ07形気動車

キハ07形気動車

キハ07形気動車室内

室内は木の香りがする。
キハ07形気動車網棚

網棚の網は金網でなく紐の網

キハ07形気動車方向プレート

方向プレートは「豊後森〜肥後小国」
肥後小国駅は今はなく道の駅になっている。

キハ07形気動車運転席

運転席には棒ギアとクラッチ
キハ07形気動車運転席2

古めかしいスイッチとヒューズボックス


「クハ481形電車(クハ481−603号)」はこだま形特急電車で、直流、交流の両方に対応したタイプで本州〜九州の直通運転を可能にした車両です。元々東北地方を走っていたのですが、のちに九州に転属。九州転属時にグリーン車仕様から普通車仕様に格下改造され、車両番号も「クロ481−1」から「クハ481−603号」と改称されました。九州では「にちりん」「かもめ」「有明」として使用されました。昭和44年に日本車輌で製造されました。こちらも車内を見学できます。

クハ481形電車

クハ481形電車(クハ481−603号)

クハ481形電車国鉄マーク

懐かしの国鉄マーク

クハ481形電車方向幕

方向幕は門司港行き。L特急マークも見える。

クハ481形電車室内

室内。シートの背もたれがちょっと低い気がする。


「クハネ581形電車(クハネ581−8号)」は昼間は座席特急として昼も夜も運転できる便利な特急用車両。581系は世界初の寝台電車特急として昭和42年10月1日にデビューしました。夜間は寝台特急「月光」として、昼間は座席特急「みどり」として新大阪〜博多を結びました。昭和42年に日立製作所で製造。この車両も中を見る事が出来ます。一見、普通の列車に見える車内ですが、寝台を引き出したりすることで寝台列車に変わります。

私たちの世代は寝台特急というとブルートレインを思い浮かべますが、こういったタイプの寝台特急もあったんですね。現役で走ってるときに一度乗ってみたかったなあ。

クハネ581形電車

クハネ581形電車(クハネ581−8号)

クハネ581形電車室内

寝台を引き出せば3段ベットに
クハネ581形電車広告

車内にあった当時の広告

月光の方向幕

「月光」の方向幕と3段式B寝台のマーク



最後は貨車1両が展示してありました。

「セラ1239号」
昭和35年に、国鉄小倉工場で製造された17トン積みのホッパー車。石炭専用の底開閉式。展示場の一番奥に地味に展示してありました。私が行ったときは、立ち入り禁止のロープが張ってあって近くで観ることができませんでした。筑豊の石炭最盛期にはこういった貨車がたくさん走っていた事でしょう。

■九州鉄道記念館見学れぽ「本館編」

さて、車両展示を見学したら、次は本館へ向かいます。本館の建物は旧九州鉄道本社社屋で「赤レンガ」と呼ばれていました。明治24年に門司港駅の開業と同時に立てられました。門司港レトロにある昔を偲ばせるレトロな建物の一つです。

九州鉄道記念館本館

九州鉄道記念館本館2

九州鉄道記念館本館



館内は中央部分が吹き抜けになっている2階建ての構造。中に入って最初に目に止まるのが、古めかしい車両。明治時代の客車なんだそうです。車内に入ってみると、座席のクッションは畳、背もたれは木で出来ていてびっくりでした。また座席の小ささ、狭さもちょっと驚きでした。車両と言うより木造建築物な雰囲気です。

その横にあるのが運転手シミュレーター。門司港駅〜西小倉駅の実際の路線風景を見ながら811系の運転を擬似体験できます。けっこう並んでいるかと思ったけど、プレイしている人以外に待ってる人はいませんでした。待てばすぐに遊べそうだったんですけど、時間が押していたので先に進みます。

1回の一番奥にあるのが鉄道模型の大型ジオラマ「九州の鉄道大パノラマ」です。これだけ作るのにいくらかかるんだろうと思ってしまいました。


館内の様子

館内の様子

明治の客車

明治の客車

明治の客車内部

明治の客車内部
鉄道模型の大ジオラマ

鉄道模型の大ジオラマ

運転シミュレーター

運転シミュレーター
運転シミュレーター内部

運転シミュレーター内部


そして2階に上がってみます。2階は常設展。九州の鉄道の歴史や資料などが展示してあります。かなり勉強になりました。企画展示コーナーでは「よみがえる蒸気機関車58654 SL人吉の復元特集」と題して、このほど復活した元あそBOY、現在は熊本〜人吉を走っているSL人吉蒸気機関車58654の資料の展示がされていました。

展示品(タブレットと大隈駅の時刻表)

タブレットと大隈駅の時刻表
展示物(ヘッドマーク)

ヘッドマーク

展示物(レール)

レール
展示品

駅の通信装置など

展示品(切符)

記念切符など
展示品(駅弁)

駅弁など


あと本館内には「情報コーナー」(パソコンや書籍などを使って鉄道に関する事を調べることができます。書籍が閲覧できるのは土日祝)「ミュージアムカフェ 汽車ぽっぽ」(館内にある軽食店)「ショップ ゼロマイル」(お土産グッズなのを販売してます)「キッズルーム」があります。

本館を出て中央ゲートのほうに歩くと、右手にミニ鉄道公園があります。一周130メートル。複線や信号機などを備えた本格的なミニ鉄道で、本物と同じような運転体験ができます。300円で遊ぶことができます。子供とかが大いに喜びそうです。

ミニ鉄道公園

ミニ鉄道公園
ミニ鉄道車両

ミニ鉄道車両



■九州鉄道記念館まとめ

以上、九州鉄道記念館見学レポートでした。個人的には大満足でした。車両展示を見た時点で、元は取ったなあと思いました。それほど面白かったし興味深かったです。

思えば九州は日本で初めて鉄道が走った地とも言えます(長崎でプチャーチンは軍艦の艦上でレールを組んで走らせたのが日本初だと言われているし、また佐賀藩が自作の機関車を走らせたのが国産初の鉄道だと言えると思う)また炭坑全盛期には私が住む福岡県の筑豊地区にはたくさんの路線が走っており、今でもいろんなところにその名残があります。

そういったことを含め、九州と鉄道の関わりは意外と深いんだと気付かせてくれました。

鉄道ファンなら必見、ファン以外の人も大いに楽しめ学べる施設だと思います。入館料も手頃だし、門司港レトロに行った際は是非寄ってみてください。



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