そんな訳で、2008年8月27日に青春18きっぷを使って肥薩線観光列車「いさぶろう・しんぺい号」に乗りに行こう!旅行レポート後編です。

人吉駅停車中のいさぶろう号.jpg

人吉駅停車中のいさぶろう号。

いさぶろう号人吉駅の様子.jpg

いさぶろう号が停車した人吉駅ホームの様子。



■観光列車「いさぶろう」「しんぺい」

さて、いよいよ「いさぶろう」に乗車です。肥薩線観光列車「いさぶろう・しんぺい」号は肥薩線人吉駅から吉松駅の間、いわゆる山線を毎日2往復している観光列車です。早朝と夜の普通列車にも同じ車両が使用される事もありますが、その場合は観光案内等のサービスはありません。

吉松駅に向かう下り列車が「いさぶろう号」人吉駅に向かう上り列車が「しんぺい号」です。それぞれの名前の由来は、山線建設当時逓信大臣「山縣伊三郎」から「いさぶろう」そして開業当時の鉄道院総裁「後藤新平」から「しんぺい」と名付けられました。

車両はキハ140系気動車改造車両。特急「はやとの風」と色違いな感じの車両です。

いさぶろう正面ドカン

いさぶろう号正面ドカン。

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いさぶろう・しんぺい号エンブレム。

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いさぶろう・しんぺい号エンブレム、その2。

いさぶろう号と普通列車

いさぶろう号と普通列車。
いさぶろう号展望スペースの窓

いさぶろう号展望スペースの窓。


いさぶろう号展望スペース窓2

いさぶろう号展望スペース窓2


JR九州のマーク

JR九州のマーク
いさぶろう号(大畑駅)

いさぶろう号(大畑駅にて)



■「いさぶろう・しんぺい号」の内装

さすがに観光列車だけあって車両は豪華です。指定券500円払う価値はじゅうぶんあると思いました。

いちおうワンマン列車なのですが案内や車内販売、検札を行う客室乗務員が乗車しています。車両は2両編成。各車両の運転席横にはモニターが設置されていて、車両前方の様子が映し出されています。


いさぶろう号運転席

いさぶろう号運転席。
いさぶろう号前面モニタ

いさぶろう号、車内モニタ。

車内の様子

車内の様子1

車内の様子2

車内の様子2


車両中央部分には展望スペースがあります。足下部分と天井部分がガラスになってテーブルがある展望スペースがあり、外の景色を見ながら、記念ノートを書いたり飲食したりできます。ただし椅子はありません。


展望スペースに立つとこんな感じ。

展望スペースに立つとこんな感じ。
座席から展望スペースを撮る。

座席から展望スペースを撮る。


指定席は4人がけのボックス席。固定型なので回転させたりはできません。席には縦長いテーブルがついているので、駅弁とかお菓子とか食べやすいです。私も駅で食べずに中で食べれば良かったと思いました。

車内はレトロなかんじで演出されています。木がふんだんに使われ、天井の照明も洒落た感じです。昔の豪華列車みたいな感じでしょうか。


いさぶろう号座席.jpg

いさぶろう号座席。



いさぶろう号窓のブラインドこういう細かい演出が良い。


■乗ってわかった「いさぶろう・しんぺい号」情報

席はほぼ指定席。自由席は2両目の後方の短いロングシート席。7席分だけです。自由席で乗った場合、ずっと立っているつもりで乗った方がいいかもしれません。指定券は片道500円。座りたいなら買っておいた方が無難しょう。

週末や行楽シーズン、青春18きっぷ期間は売り切れる可能性があるので早めにキープしておいたほうがいいかもしれません。または、私のようになんでもない平日の空いてそうな時期にプランを合わせるのも手かもしれません。

「いさぶろう」も「しんぺい」も車両は一緒です。吉松駅で乗ってきた同じ車両に乗って帰りました。指定券はわざわざ改札通さなくても車内改札があるのでその時に見せればOKのようです。

私のように「いさぶろう」で来てそのまま「しんぺい」で帰る乗客も多いみたいです。


観光列車という事で、停車駅には5分前後止まります。ゆっくりする暇はありませんが、下車して駅を見学する時間はあります。

あと人吉盆地が見下ろせるポイントと、ループ線の上から大畑駅が見下ろせるポイント、そして日本三大車窓が見下ろせるポイントなどに停車します。

山を登る区間は傾斜はキツいけど、傾斜でそれを感じれるほどではありません。エンジンと車輪の擦れる音が急勾配なのを教えてくれるくらいです。途中ものすごくゆっくり進むポイントもありました。たまたま遅かったのか傾斜がきつすぎてスピードがだせないのかはわかりませんでした。

景色は確かに民家の見えない区間が多いので秘境っぽい感じですが、時々集落があるので、それほど山の奥地に来たというような感じはしなかったです。


■肥薩線、山線の駅

「山線」の途中の駅は3駅。意外と少ない。もっと駅あるかと思ってました。人吉側から大畑駅、矢岳駅、真幸駅。すぐに覚えられます。それぞれ特徴的で味のある駅ばかりなので、いさぶろう・しんぺい号に乗ったときは、ぜひ降りて散策してください。


最初の「大畑(おこば)駅」。日本で唯一のスイッチバック&ループ線構造の駅。

SLの運転手が顔を洗ってた「洗顔用の湧水盆」やSLに給水していた「給水塔跡」や「鉄道工事中殉難病没者追悼紀念碑」などがあります。駅舎内には名刺がきっしり。これがお札だったら怖いな…なんて思ってしまいました。

大畑駅

大畑駅駅舎。

大畑駅停車のいさぶろう号
大畑駅停車中のいさぶろう2

大畑駅停車のいさぶろう。

駅舎内の名刺

大畑駅、駅舎内にはたくさんの名刺が…。
大畑駅スイッチバック

この先にループ&スイッチバックがある。

ホームと洗顔用の湧水盆

人吉駅停車中のいさぶろう号。

ホームの文字

ホームの前にOKOBAの文字
給水塔

給水塔跡。


次の「矢岳駅(やたけ)駅」。肥薩線で最も高い場所(標高約536.9m)にある駅です。

駅に隣接する倉庫にSL(D51型)が展示してあります。昔は2台展示してあったのですが、1台は「あそBOY」として現役復帰した為、今はないそうです(鉄のおばちゃん談)駅の待合室はなんか雰囲気があって、明治チックな感じが良かったです。


矢岳駅

矢岳駅。

矢岳駅に停車中のいさぶろう

矢岳駅に停車中のいさぶろう。
矢岳駅改札

矢岳駅改札。


矢岳駅駅舎

矢岳駅駅舎。
矢岳駅駅舎天井

矢岳駅駅舎天井。

矢岳駅SL展示車庫.jpg

矢岳駅のSL展示車庫。

矢岳駅のSL.jpg

矢岳駅に展示してあるSL(D51型170号機)


最後は「真幸(まさき)駅」。この駅もスイッチバック構造の駅です。

縁起の良い名前なので入場券を記念に買っていく人が多いそうです。秘境駅としても有名。ただし、駅の前に大きな道路が走っているので、それほど秘境駅という雰囲気ではありませんでした。

ホームに「幸せの鐘」が設置されています。乗客の多かった「いさぶろう号」の時はみんな鳴らすので停車中はガンガン鳴ってました。

あと一応無人駅なのですが、地元ボランティアの方がいらっしゃるので、案内とかしてくれるみたいです。今回も年配の男性と女性の方2人がおられました。

真幸駅に停車中のいさぶろう号.jpg

真幸駅に停車中のいさぶろう号。

真幸駅のホーム.jpg

真幸駅のホームにある「幸せの鐘」

真幸駅にあった絵馬.jpg

真幸駅にあった絵馬。

真幸駅遠影.jpg

真幸駅遠影。


■スイッチバックとループ線

今回スイッチバック初体験だったんですが、ワンマン列車なので運転士がスイッチバックの度にマスコンのハンドルを持って車内を移動していたのが印象的でした。

考えてみると当たり前なんですけどね。バスみたいにバックモニターでバックって訳にはいかないでしょうしね。後に行った熊本と大分を結ぶ豊肥線立野駅のスイッチバックも似たような感じでした。

ループはちょっと解り難かったです。大きなループで緩やかにカーブしてるんで、イマイチ掌握できなかったです。下の方に駅が見えるポイントも木々が邪魔してよく見えませんでした。

真幸駅のスイッチバック.jpg

真幸駅のスイッチバック


■日本三大車窓ポイント

日本三大車窓のポイントなんですが、残念ながら行きの「いさぶろう」の時は雨降っていて、霧でかすんであまりよく見えませんでした。

しかし、帰りの「しんぺい」の時はちょうど雲の切れ間で晴れて、けっこうよく見えました。

だけど霧島山系は雲かかかっていて上の方見えなかったし、桜島も望む事が叶いませんでした。加久藤(かくとう)盆地はよく見えたので一応満足です。

国道221号の加久藤峠は自家用車でもトラックでもよく通ったので、私としてはそれほど新鮮味がなく、まあ、こんなもんかと思いましたが、初めて見る人なら感激すると思います。

また運良く桜島や、その奥にある開聞岳が見られれば感動ものでしょう。開聞岳までみえるとはにわかには信じられないんですけど、パンフレットには見れると書いてありました。

車窓からの景色(えびの方面、三大車窓).jpg

車窓から見るえびの方面の景色(日本三大車窓のひとつ)

車窓からの景色(人吉方面).jpg

車窓から見る人吉方面の景色。



■車内の様子

客室乗務員はおばさんだと聞いていたんですけど、若いお姉さんでした。かわいい女性でしたね。これぞ本物の鉄道むすめって感じwで、萌えましたw

ガイドは基本的にテープなんですけど、客室乗務員のお姉さんが案内する場所もありました。乗客の質問にも笑顔で答えてくれます。あとグッズの車内販売や検札なども行います。車掌じゃなく客室乗務員が検札を行うのは珍しいんじゃないでしょうか。

乗客ひとりひとりに細やかなサービスをしているって感じでとても好感が持てました。私も晴れている時の三大車窓の風景写真を見せてもらったり、記念写真を撮ってもらったりしました。

記念写真といえば、1両目のトイレの前のスペースに車内に記念写真用のプレートと乗務員の帽子とが置いてあるので、客室乗務員さんにお願いして記念写真を撮ってもらうといいと思います。ただしカメラは必要です。ない場合は使い捨てカメラを販売しているのでそれを買うといいかもしれません。


乗車記念撮影

いさぶろう・しんぺい号乗車記念撮影


■車内の混雑具合

車内の混雑具合なんですが、行きの「いさぶろう」の時はそこそこ。自由席はいっぱい、指定席は8割くらいの乗車率で当日、車内で指定席買ってもいけそうな感じでした。

私の買った席はボックス席独り占めでした。両列車ともに指定席は奇数番号が東側、偶数が西側でした。奇数の方が景色が楽しめる気がします。

帰りの「しんぺい」はかなり空いてました。乗客は20人くらいしか乗ってなかったと思います。帰りに限って言えば、自由席でも全然OKでした。一応指定席は買ってましたけどね。

ただ、今回はたまたま平日だったことと天候が良くなかったことがあったので、空いていたんだと思います。いつもはかなり混雑するんで指定席とっておいたほうが無難だそうです(鉄のばあちゃん談)。

しかし、ずっと立って我慢できるのなら指定券いらないかも…とも思いました。これは人によるとは思いますけど、私なら大丈夫そう。ドアや展望スペースで車窓を楽しむのもアリかなとも思いました。

また観光列車としては後に乗った「みすゞ潮彩」号や「瀬戸内マリンビュー」と違って車両毎に自由席と指定席が別れていないので、自由席に乗っても疎外感を感じることもないと思います。


■帰路

さて、帰りなんですが、人吉からの川線を走る普通列車、けっこう満席に近い感じで走ります。前の日にあまり眠れなかったのと、旅の疲れが出て、ほとんど寝てしまいました。

八代からの鹿児島本線も、ほとんどうつらうつらしてました。帰りはしっかり計画を立てておいたおかげで乗り換え少なく帰れました。来た電車に何も考えずに乗っていたら、何度も乗り換えなきゃいけない所でした。羽犬塚からは快速に乗れたので、博多まで早かったです。

博多での福北ゆたか線への乗り換えが時間が4分しかなく、しかも1番ホームから8番ホームへの乗り換えだったんで、かなり走りました。今回唯一のギリギリ乗り換えです。

午後10時の飯塚は土砂降り。自転車で来てるんで迎えに来てもらう訳にもいかず、濡れて帰りました。いいさ、ずぶぬれは淀川花火大会で経験済みさ。あれに比べればこの程度の雨なんてへちゃらさと自分に言い聞かせて帰りました。


■旅のまとめ

今回、結果として、ほぼ予定どおりだったので満足でした。肥薩線は良かったです。いろいろ体験できたし、勉強できました。天気は悪かったですが、おもしろかったですよ。鹿児島本線はキツかったですけどね。

総評としてかなり満足いく旅行でした。

私は九州新幹線にはたいして関心はないですが、「いさぶろう」「しんぺい」と接続する特急「はやとの風」や「九州横断特急」には乗ってみたいと思いました。

また、4月25日より川線に「あそBOY」に使われていた「8620形蒸気機関車58654号機」が帰ってきます。週末に熊本〜人吉間1往復運行。乗車券+800円の指定券で乗れるそうです。詳しくはこちら


そんな感じで長くなりましたがレポートを終わろうと思います。

今まで乗った観光列車の中では一番だったと思います。九州の鉄道の旅には超〜お薦めです。特に18キッパーには是非体験してもらいたいですね。



秘境駅秘境駅
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