最近、ネットでは「ニコニコ動画」なる動画配信サイトが流行ってる。

「ニコニコ動画」とは、「株式会社ドワンゴ」の子会社で巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」の管理人である西村博之氏が取締役を務める「ニワンゴ」が新たに始めたサービスである。youtubeまたはAmebaVisionの映像にコメントが書けるというのがその内容で、2ちゃんねらーを中心にその人気が日々高まっている。

また前回の記事で私が貼り付けたみたいに、簡単にブログに画像とタイトルと最新のコメントを貼り付けられたりして、ブログでも利用する人が多くなって来ている。

前に爆発的に流行った動画配信サイトYouTubeのサービスより、もうひとつ先を行った感があり、今後、大流行する事が予想される。

実際に行ってみると、YouTube以上に中毒性があるのが解る。見始めると時間を忘れて見入ってしまう。動画を楽しみ、コメントで笑い、共感し、いっしょになって盛り上がる。多くの人と一緒に見ているような楽しい気分にさせられる。当然のことながら、いつでも見れて、いつでも書き込める。

どうしてこういうのが楽しいと思えるのだろうか?私なりに分析してみる。

近年、ゴールデンタイムにお茶の間に家族で揃ってTVを見るという事が少なくなった。

お父さんは残業時間が伸びたせいで、その時間は家に帰れていない。息子は塾に行ったりクラブ活動などで帰宅が遅い。娘は携帯でメールやおしゃべりに大忙し。未だにゴールデンタイムにゆっくりTVを見ているのはお母さんくらいのものだ。その証拠に、最近のTV番組は女性に受けるような作りになっている。

また、趣味の多様化で家族それぞれが見たい番組が異なる。さらにTVゲーム、インターネットや携帯の普及でTV離れも進み、TVを見る時間がどんどん少なくなってきている。その上、TVが1家に1台の時代から1部屋1台の時代へと変わり、家族みんなでTVを見るという行為が激減した。

しかし、「時にはみんなでわいわい言いながら番組を見たい」と寂しさを覚える人も多い事だろう。だが、家族は他の番組を見ていたり、家にいなかったりで話し相手になってくれない。

そういう寂しさを解消するのに、うってつけだったのが2ちゃんねるの実況板だ。アニメや映画などの放送実況は特に盛り上がる。ものすごい勢いでレスが付き、スレが消化されていく。あの楽しさは一度味わったものにしか解らないかもしれないが、ハマると実況なしでTV見ていると凄く物寂しくなったりする。

ところがだ、そんな実況板にも欠点がある。実況したい番組を放送時間にリアルタイムで見る必要がある。みんなが放送時間にTVとパソコンを立ち上げてスタンバイしていないといけない。また、ネットとTVを交互に見るため、内容にあまり集中できない。

すなわち録画した番組を実況するとか、オンエアはじっくり見て、あとで実況板を見ながら改めて視聴という楽しみ方は出来ない。それを可能にしたのがこの「ニコニコ動画」の凄さの一つだろう。

一方、高速回線の普及などでハードウェア的に配信が容易になった動画配信だが、イマイチ盛り上がりに欠けていた。

そんな中、注目されたのがアメリカの動画配信サービスYouTubeだ。個人が容易に画像を貼り付けられる上、標準的なブラウザで再生が可能。また画質が犠牲になってるがデータ自体は軽いので、比較的遅い回線でも十分視聴が可能である事等の手軽さが受けて、爆発的人気となる。

著作権とかの大きな問題が残ってはいるが、YouTubeというサービスは画像配信というものに大きな可能性を与えた。

実況板とYouTube。この2つのサービスのいいとこ取りをしたものが、「ニコニコ動画」というサイトだ。

YouTubeなどに上げられた動画の画面に、思い思いのコメントを流せる。みんなで違う時間に同じ動画を見ながらコメントが書ける。盛り上がれる。画面の上にコメントが流れるので、動画を見ると同時にコメントが読める。

これはとても使い勝手が良く、画期的な動画の楽しみ方である。実況板の面白さと動画配信の面白さを掛け合わせて、さらに楽しいものを生み出す。これは、2ちゃんねる管理人の西村博之氏ならではのアイデアであると言えるだろう。

ただ、これが流行って面白くないと考えるのが、多くの動画の著作権を持っているTV放送局や各動画の著作権保持者である。事実、YouTube等に上がった元の動画を、次々と削除している。おそらく今後、著作権を楯に必死に潰しにかかるであろう。それが心配である。

時代は移り変わってゆくもの。こういうものが流行るのは、みんながそれを求めてるから。そしてそこに需要がある。需要の中にはビジネスチャンスがたくさん埋まっている。

それを古い考えに固執して、頑固に否定するのか、新たな需要と捉え、受け入れ利用して新たな市場を得るのか、どちらが得なのか良く考えたほうがいいと思う。

みんな今までのサービスでは満足できなくなって来ているのだ。新たな動画の楽しみ方を求めてるのだ。

地上波で、決まった時間に決まった番組しか見られない。自分の好みの番組が常にやっていない。野球中継延長やニュース速報などで楽しみにしていた番組が見られない。好きな動画を見るのに手間や時間やお金をそんなにかけれない。また見たい動画を見るのが、多大な手間や時間やお金をかけても、ほぼ不可能な場合だってある。

そういった煩わしさにみんな嫌気がさしていたのだ。みんなもっと気軽に動画を楽しみたいのだ。だからビデオやレコーダーが売れるしYouTubeのようなサービスがみんなに受けるのだ。

時代が変化した。もう地上波で従来通りの放送を続けていては、いずれみんなに飽きられるのだ。すでに飽きられ始めている。

今や動画配信は新たな時代へと突入しようとしているのだ。それを躍起になって潰そうとすれば、反感を買うだけで損だ。ひとつ潰してもそこに需要があり、それが物理的に可能である限り、また新たなサービスに取って変わるだけである。

それならば、それを逆に利用して、取り込んでいってしまうのが利口なやり方なのではないか。いつまでも時代の変化を認めない保守的なやり方では、先細りする一方ですぞ。

頭を使って、どうすれば、その需要からビジネスチャンスを引き出すか、考える段階にきているのではないのか。みんなその価値に値すると思えば、多少のお金も出すだろうし、堂々と楽しむ事ができるならそれに越したことはないと思っているはず。その事に、TV放送局の何処が一番に気付き実行してゆくのか、興味深く見守って行きたいと思う。


■ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/

■YouTube
http://www.youtube.com/

■ニコニコ動画ブログ貼り付け例